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撰
「撰〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
撰の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
勿論、当人が味噌を上げるほどのものではない。悪く云えば、出たらめで、善く云えば喜
撰《きせん》でも踊られるより、嫌味がないと云うだけである。もっともこれは、当人も....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
ぬ前《さき》から、織次はどうしても持たねばならない、と言って強請《ねだ》った、新
撰物理書《しんせんぶつりしょ》という四冊ものの黒表紙。これがなければ学校へ通《か....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
連が風説をする。 すでに昨夜も、神楽坂の縁日に、桜草を買ったついでに、可いのを
撰って、昼夜帯の間に挟んで帰った酸漿を、隣家の娘――女学生に、一ツ上げましょう、....
「転機」より 著者:伊藤野枝
きたいような情なさを感ずるのだった。それでも、両側の草の上や、小砂利の少ない処を
撰るようにして、やっとあてにした場所まで来て見ると、水は青々と流れていても、足を....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
られて、膝行して当日の婿君の前に参る事です。 絞罪より、斬首より、その極刑をお
撰びなさるが宜しい。 途中、田畝道で自殺をしますまでも、私は、しかしながらお従....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
人の制規、いかなる制裁といえども、甘んじて覚悟して相受ける。各位が、我ために刑を
撰んで、その最も酷なのは、磔でない、獄門でない、牛裂の極刑でもない。この片袖を挟....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
つきますよ。」 「構わない。破れ麻だよ。たかが墨染にて候だよ。」 「墨染でも、喜
撰でも、所作舞台ではありません、よごれますわ。」 「どうも、これは。きれいなその....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
正伝」という紋切型の中から「正伝」という二字を取出して名目とした。すなわち古人が
撰した書法正伝のそれに、文字の上から見るとはなはだ紛らしいが、もうどうでもいい。....
「故郷」より 著者:井上紅梅
年に当り、祭は鄭重を極め、正月中掲げられた影像の前には多くの供え物をなし、祭器の
撰択が八釜しく行われ、参詣人が雑沓するので泥棒の用心をしなければならぬ。わたしの....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
れか一方に進まねばならぬ。これにファラデーは心を悩ました。 結局、ファラデーの
撰んだ途は、人類のために幸福であった。グラッドストーンの言ったように、「自然はそ....
「夫人利生記」より 著者:泉鏡花
ござります、その紫の袈裟を召したのは私が刻みました。祖師のお像でござりますが、喜
撰法師のように見えます処が、業の至りませぬ、不束ゆえで。」 と、淳朴な仏師が、....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
つかつかと店へ出た、乳のあたりにその胸を置かせて、翼に手をかけ抱いたのは、お夏が
撰んで名をつけた、蔵人という飼鶏である。 「何故今時分|啼くんだね、」と人にもの....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
んで、これが目金だ、万世橋を覚えたまえ、求肥製だ、田舎の祭に飴屋が売ってるのとは
撰が違う、江戸伝来の本場ものだ。黒くて筋の入ったのは阿蘭陀煉、一名|筏羊羹。おこ....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
帯、この銅像の見えることは、ここから、町を見下ろすとおんなじで……またその位置を
撰んで据えたのだそうだから、土地の人は御来迎、御来迎と云うんだね。高山の大霧に、....
「妖怪学」より 著者:井上円了
これを解かんとするときは、その句を反対に読めばよろしとのことなり。また、『秘事百
撰』といえる書には、左のごとく記載せり。 にない棒を二本、左右の手に一本ずつ、....