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「撰択〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

撰択の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
惰眠洞妄語」より 著者:辻潤
やたらと買う者もいる。 おもちゃのほんとうに好きな人間は自分で自分のおもちゃを撰択する。時代と流行と人気とは彼になんの関りもないのである。 私は自分が拵えて....
志賀直哉氏の作品」より 著者:菊池寛
リズムを標榜する多くの作家が、描かんとする人生の凡ての些末事を、ゴテゴテと何らの撰択もなく並べ立てるに比して、志賀氏の表現には厳粛な手堅い撰択が行われている。志....
艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
思い出の深い書斎に集って、この小説家の遺骸と一緒に、白木の棺に納めるべき遺愛品の撰択について協議を始めた。M氏には子供らしい妙な癖があって、自分に門下生の多いの....
楢重雑筆」より 著者:小出楢重
あり、頗る無頓着に配列されているものである。そこで其偶然と無頓着な自然全部を、無撰択に一枚の限られた画面へ盛る事は出来ない。そこで其現そうとする画面へ、其自然の....
めでたき風景」より 著者:小出楢重
会で油絵が一枚買いたいと思うから案内してくれというのである。 少しでもよい絵を撰択してやることは職責上当然のことでもあると思ったから早速承諾した。 それから....
油絵新技法」より 著者:小出楢重
第一としなければならぬ。心定って後の乗物である。神戸へ行くには必ず西向きの汽車を撰択すべきものである。 何んといっても相当の人としての心定まった上自分自身方向....
獄中消息」より 著者:大杉栄
たい。僕のミリタリ・サーヴィスも、出獄後なお三年は延ばせる。 次は弟等の学校の撰択だ。 伸は語学校へとの望みのようだが、何科をやるつもりなのだろう。僕の思う....
灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
笥を二つ並べてくれた。洋間の方には、椅子と机と本箱を新調してくれた。そして壁紙の撰択や、カーテンの布地は子供の好みにしてくれた。私は、うすねずみ色の地模様のかべ....
故郷」より 著者:井上紅梅
年に当り、祭は鄭重を極め、正月中掲げられた影像の前には多くの供え物をなし、祭器の撰択が八釜しく行われ、参詣人が雑沓するので泥棒の用心をしなければならぬ。わたしの....
雷同性に富む現代女流画家」より 著者:上村松園
なものが沢山におります。銘々の婦人に幾何の共通な方向があって、制作を規定したり、撰択したりするのかは知りませんが、こうも現代の女流画家のように誰も彼も同じような....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
していたが、率ざ自分が筆を執る段となると仮名遣いから手爾於波、漢字の正訛、熟語の撰択、若い文人が好い加減に創作した出鱈目の造語の詮索から句読の末までを一々精究し....
妾宅」より 著者:永井荷風
》いものを作る。それと共に四季折々の時候に従って俳諧的詩趣を覚えさせる野菜魚介の撰択に通暁している。それにもかかわらず私はもともと賤しい家業をした身体《からだ》....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
きな犬を献上に来た者には沢山な賞典をやるものですから、遠いところからわざわざ犬を撰択して法王に献上するという次第である。しかし前代の法王には犬を愛するというよう....
法然行伝」より 著者:中里介山
こで法然が、この兼実の請を容れて弟子の安楽房に筆を執らせて著作をしたのが有名な「撰択集《せんじゃくしゅう》」である。 この時の執筆者安楽房というのは外記入道師....