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「操持〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

操持の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
渾沌未分」より 著者:岡本かの子
色彩と形が水中へ入れば一律に化生せしめられるように人間のモラルもここでは揮発性と操持性とを失った。いわば善悪が融着してしまった世界である。ここでは旧套の良心|過....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
若い頃亡くしてから別にささやかな妾宅を持つだけで、自宅には妻を持たなかった。何か操持をもつという気風を自らたのしむ性分もあった。 復一の家の縁に、立てかけて乾....
仮装人物」より 著者:徳田秋声
悪い女のように見えたり、刹那々々に燃え揚がる情熱はありながらも、生活的に女らしい操持に乏しいところから、ややもすると娼婦型の浮気女のような感じを与えたりするので....
貞操について」より 著者:宮本百合子
操守の一つの表現なのである。常に生きかたの問題の一つである。そういう社会的な人間操持の一つの表現として貞潔を理解する男女は、人間として当然な各自の貞潔を破壊させ....
人生における離合について」より 著者:倉田百三
うような趣きがあって日本的の尊さである。 君臣、師弟、朋友の結合も素より忍耐と操持とをもってではあるが終わりを全うするものもあるのであって、かような有終の美こ....
自警録」より 著者:新渡戸稲造
が、いよいよ最後の守らねばならぬ点にいたっては、身を殺してまでも毅然として自己を操持《そうじ》した。この点にいたると婦人は侮《あなど》るべからざる強いところがあ....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
ろ感謝している。浄瑠璃はその感情のインテンシチーの深さ、美的幻影の濃醇さ、道義的操持の強烈さ、ものを理窟で見ず、機微でとらえる生命感、すべてを永遠なる生滅の法の....
九条武子」より 著者:長谷川時雨
閨《くうけい》を守らせるとは怪《け》しからん。と、よく中年の男たちが言っていた。操持《そうじ》高き美しき人として、細川お玉夫人のガラシャ姫よりももっと伝説の人に....
竹本綾之助」より 著者:長谷川時雨
た盛時の芸名を、美しい娘の三人をも持ちながら、どの子にも伝えようとしないのにも、操持《そうじ》の高いことが窺《うかが》われる。彼女にはそうした満足と誇りがあり、....