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擘
「擘〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
擘の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「十二支考」より 著者:南方熊楠
、『五雑俎』九に〈狡兎は鷹来り撲《う》つに遇えばすなわち仰ぎ臥し足を以てその爪を
擘《はく》してこれを裂く、鷹すなわち死す云々、また鷹石に遇えばすなわち撲つあたわ....
「善の研究」より 著者:西田幾多郎
知説であったが、近来は漸々主意説が勢力を占めるようになった。ヴントの如きはその巨
擘《きょはく》である。意識はいかに単純であっても必ず構成的である。内容の対照とい....
「三狂人」より 著者:大阪圭吉
すゥ！……」 けれどもその声が止むか止まぬに、もうひとつ別の、松永博士の、鋭い
擘くような叫び声が、激しい跫音と共に、闇の中を転ろげるように戸口のほうへつッ走っ....
「桶狭間合戦」より 著者:菊池寛
んで山路を分け進んだ。 外史氏山陽が後に詠んだのに、 ｜将士銜舌 ｜桶狭如桶雷
擘裂 ｜驕竜喪元敗鱗飛 ｜撲面腥風雨耶血 一戦始開撥乱機 万古海道戦氛滅 唯見血....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
を代表したるははたして何人なりしか。吾輩は今日より回想するに福沢諭吉氏は一方の巨
擘にして国富論派を代表したるや疑うべからず。同氏はもと政治論者にあらず、おもに社....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
刃一閃、絶世の高士身首その処を異にした。 パピニアーヌスは実にローマ法律家の巨
擘《きょはく》であった。テオドシウス帝の「引用法」（レキス・キタチオニス）にも、....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
える。さて、弥勒世尊無量の人と耆闍崛山《ぎしゃくつせん》頂に登り、手ずから山峯を
擘《つんざ》く。その時梵王天の香油を以て大迦葉尊者の身に灌《そそ》ぎ、大※稚《だ....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
き死んだ船長の金を数えていた母と私とを狼狽させたと同じ呼子の音が、もう一度夜気を
擘いてはっきりと聞えたが、この時は二回繰返して鳴った。私は前にはそれを盲人が仲間....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
氏の姿を認めた。 「アア、ユウ、ウッド？」という極めて鋭い漱石氏の発音が私の耳を
擘くように聞こえた。それと同時に私はあっ気に取られた顔をして無言のまま漱石氏を見....
「上野」より 著者:永井荷風
其温泉或ハ湯花ヲ汲来ツテ之ヲ湯中ニ和スト云フ。中略方今深川ノ仲街ニ開ク者ヲ以テ巨
擘トナス。中略俳優沢村氏新戯場ヲ開カントシテ未ダ成ラズ。故ニ温泉場ヲ開イテ以テ仲....
「せいばい」より 著者:服部之総
う》最上にあらせられし時幕領白岩の農民｜強訴《ごうそ》に及びたる時、三十六人の巨
擘《きょはく》を捕へて、糾弾もせず一時に磔刑に行はれ、それを鎮静し幕府へ届けられ....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
山皆敵と観るもののようであった。 「…………」 果たして、ぐわあん！ と谷間の
擘けるような音が渓流の向う側からとどろいた。 いうまでもなく、猟銃の弾である。....