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擡頭
「擡頭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
擡頭の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「苦悩の年鑑」より 著者:太宰治
返してはならぬものだと思っている。 × まったく新しい思潮の
擡頭を待望する。それを言い出すには、何よりもまず、「勇気」を要する。私のいま夢想....
「オリンポスの果実」より 著者:田中英光
もてあそ》んでいました。
その男は百|米《メエトル》の満野でした。かつて吉岡が
擡頭《たいとう》するまでの名スプリンタアではありましたが今度のオリムピックには成....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
ときから金魚は大して好きでなかったはずだよ」と云った。 養父の宗十郎はこの頃|
擡頭した古典復活の気運に唆られて、再び荻江節の師匠に戻りたがり、四十年振りだとい....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
て来た。唇がすこし慄えて不安らしい眼つきになった。「だが、今度の、マルクス文学|
擡頭の気勢は前例のものより、かなり風勢が強いらしいですよ。」氏がだんだんいらだっ....
「賤ヶ岳合戦」より 著者:菊池寛
あった自分も、この有様だと、ついには一田舎諸侯に過ぎなくなるであろう、――秀吉の
擡頭に不満なる者は次第に勝家を中心に集ることになる。滝川一益もその反対派の一人で....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
時代は混沌として来た。彦根と水戸とが互いに傷ついてからは、薩州のような雄藩の
擡頭となった。関ヶ原の敗戦以来、隠忍に隠忍を続けて来た長州藩がこの形勢を黙ってみ....
「新しい形の個人主義」より 著者:太宰治
昔の思想と違っている事を知らなければならぬ。倫理に於いても、新しい形の個人主義の
擡頭しているこの現実を直視し、肯定するところにわれらの生き方があるかも知れぬと思案することも必要かと思われる。....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
かしていた。第三の階級は勝利に飽いて眠っていた。そして今や、脅威的な排他的な姿で
擡頭《たいとう》してきた第四の階級は、屈服させるのにまだ困難ではなかった。頽廃《....
「ヤミ論語」より 著者:坂口安吾
朽八段をズラリと並べて、一向に大衆の注意をひかなかった。升田が現れ、頻りに新人の
擡頭があって、大衆は正直に惹かれるのである。 将棋の不振のころは、碁の方がまだ....
「最小人間の怪」より 著者:海野十三
猿から猿人、猿人から人類、その次に人類から高等人類すなわちヤナツなどの微小人間の
擡頭することを認めないわけにはいかなくなった。ヤナツは、灰色の丸い顔を輝かして、....
「『十八時の音楽浴』の作者の言葉」より 著者:海野十三
も事実はそれに反して、科学小説時代はついに来なかった。純文芸の復興や、卑猥小説の
擡頭などの計画とともに、十把一からげの有様で、ついに科学小説時代の件もがらがらと....
「二・二六事件に就て」より 著者:河合栄治郎
事件は突如として今日現れたのではなくて、由って来れる所遠きに在る。満洲事変以来|
擡頭し来れるファッシズムに対して、若し〈軍部〉にその人あらば、夙に英断を以て抑止....
「荘子」より 著者:岡本かの子
高唱した。変ったものには「白馬、馬に非ず」の詞で知られて居る公孫龍一派の詭弁派の
擡頭があった。また別に老子の系統をひく列子があった。年代は多少前後するが大体この....
「世界の裏」より 著者:国枝史郎
切って弓弦として、国難に赴く如き態勢を、時期に遅くれずに採用したならば、せいぜい
擡頭期に於けるローマ如きにああもミジメに亡ぼされなかったであろう。 胄の緒を締....
「まあまあ居士の弁」より 著者:浅沼稲次郎
憧れて入学したのである。丁度当時は、第一次欧洲戦争の影響で、デモクラシーの思想が
擡頭して来た時代である。 そこで、学生の立場から民主主義、社会主義の研究を始め....