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擬似
「擬似〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
擬似の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「地獄街道」より 著者:海野十三
だ。一寸夢遊病者のようになる」 「まさか――」 「事実なんだから仕方がない。その
擬似夢遊病者はフラフラとさまよい出でて、必ず例のユダヤ横丁に迷いこむ」 「それは....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
と、ナポレオン的世界征服の代りに、大本教的世界征服を企てているという意味に於て、
擬似ファッショ思想体系であることを、注目すべきだ。この
擬似ファッショ哲学も亦、日....
「読書法」より 著者:戸坂潤
して見る時、心の表面に持ち出して見せる時、之はその不可避性を失って了って、単なる
擬似カテゴリーであったことが暴露される。歴史はそういう暴露を仕事とする。ルネサン....
「老年と人生」より 著者:萩原朔太郎
身では、そんな遊興費の銭を持つことができなかった。その上僕の時代の学生や若者は、
擬似恋愛をするような女友達もなく、良家の娘と口を利《き》くようなチャンスは殆んど....
「時事雑感」より 著者:寺田寅彦
いくぶんか付け得られるかもしれない。それは気圧変化にほぼ一週間に近い週期あるいは
擬似的週期の現われることがしばしばあるからである。 朝鮮で三寒四温という言葉が....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
美色で光る。これは無論他動物をして、蛇自身の体の、花や葉と思い近付かしめて捉うる
擬似作用で、本邦のある蛇が苺の下に隠れて鳥を捕うると同じ働きだ。さて予幼年の頃、....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
を伴わざるを得ぬが、それに備えるためには無知の一定形態に思想とか、文化とかという
擬似商標を貼らねばならなくなる。ここにファッショ支配に於ける「文化政策」なるもの....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
享楽するのがつねではないですか。近代都市の交通機関内では、朝夕どれだけ多量にこの
擬似性慾が消費されていることでしょう。時としてそれは立派な情事でさえあると私は思....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
れども、月の位置が動いて堂が真暗になると、発光塗料が螢光色の光円を作って、凄愴な
擬似後光を発光させたのだよ。勿論慈昶は仰天して逃げ出したのだろうが、君は鋲を下駄....
「最近日本の科学論」より 著者:戸坂潤
けではない、唯物論的傾向にある科学者達に於てもだ。唯物論の「具体化」の名の下に、
擬似ブルジョア・アカデミシャニズムに陥り込んではならないのである。 所謂科学論....
「わが精神の周囲」より 著者:坂口安吾
も見物にでかけた。イワシ網をしめてくると、これを狙って大型の魚があつまる。これを
擬似バリで釣りあげる。豪快なものである。 いちじるしい不眠症をのぞいては、私は....
「火と氷のシャスタ山」より 著者:小島烏水
ント山地あたりの大氷河に比べると、恐らく雛形ぐらいの小さいものだろうが、それでも
擬似氷河ではない。小さいなりに、完全な真氷河であることは、「クレッヴァス」の凹凸....
「獅子舞雑考」より 著者:中山太郎
く崇敬す。相伝ふ、昔はその民家の悪気を追ふとて、箕《み》を二口合せて、獅子の頭に
擬似して戸々を巡り、その祭り畢《おわ》るときは、燎火にて焼棄《やきすて》たるなり....
「熊」より 著者:神西清
嘩をやらかして、すんでのことで奴を、窓からおっぽり出すところだった。マズートフは
擬似コレラだし、ここの細君は、気分とおいでなさる。悪党ども、だれひとりとして払い....
「地球の円い話」より 著者:中谷宇吉郎
平均海面を考える必要があることを教えられる。そして地球の形は楕円体でもないので、
擬似《ぎじ》楕円体と称すべきであるなどということになる。 更に地球物理学者にき....