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擬装
「擬装〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
擬装の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「地球盗難」より 著者:海野十三
彼は昨夜、佐々砲弾の「|空の虱」の掩護によって彼自身が風呂敷包の中からとりだした
擬装爆弾実はマグネシウム花火などを博士の門前に投げつけ岩蔵を巧みに門外におびき出....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
青年の企みある行動を気取って、おかしいなと思った。しかし、かの女はすっかり青年の
擬装の態度に欺かれて、人事のようにすましてただ立ち止っていた。たまたま閃きかける....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
がれる時には、宿駕籠に身を投げ、その外部を筵でおおい、あたかも商家の船荷のように
擬装して、人をして海岸にかつぎ出させ、それから船に乗って去ったというくらいだ。こ....
「わが半生を語る」より 著者:太宰治
人などといわれている人間は、案外気の弱い度胸のない、そういう人が自分を護るための
擬装をしているのが多いのではないかと思われます。やはり生活に対して自信のなさから....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
、かえって遠ざかっている方が、とかく名誉に傷つきやすい博士のために有利だと考え、
擬装のためわざと庸三を利用しているように思われないこともなかった。そのころまだ博....
「二、〇〇〇年戦争」より 著者:海野十三
のように、真黒に集まってきた。いずれも、真黒な合金の鎧で身体を包み、頭の上には、
擬装のため、枯草や木の枝などをつけ、顔には防毒面をはめ、手には剣と機関銃と擲弾装....
「暗号音盤事件」より 著者:海野十三
水艦に積んで、無人島にある秘密の根拠地に避難させたり、移動用の強力な無線電信局を
擬装の帆船に据えつけたりしてさ、一旦は本土を喪うとも、やがて又|勢をもりかえして....
「毒瓦斯発明官」より 著者:海野十三
かしお前も、こんどというこんどは余程懲りたと見え、屋上から、蜘蛛に見まがうような
擬装のマイクと高声器をつり下げて、わしに話しかけるなんて、中々機械化してきたじゃ....
「地軸作戦」より 著者:海野十三
地は吹雪と厳氷とに閉じこめられている。 新クレムリン宮殿は、突兀たる氷山の如く
擬装されてあった。中ではペチカがしきりに燃えていて、どの室も、頭の痛くなるほど饐....
「火星兵団」より 著者:海野十三
を、さしずしていた。隊長をはじめ、いずれもみんな草や木の枝をあたまからかぶって、
擬装していたものだから、空からは、これが人間だとは、見えなかった。
観測員の一....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
まの形で現われないのであって、却ってそうした仮定を検証するかのようなものとしての
擬装の下に、この仮定の代理者が現われて来る。反ラショナリズム・反理知主義・等々が....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
と云って片づけることの出来ない処の、原則だ。 (一九三六・五) 一一 挙国一致の
擬装 三六年一月二十一日、衆議院が解散されたが、政府の解散理由はこうだ。「政府....
「女性の諸問題」より 著者:倉田百三
、どこかあやしいのである。しかし自分の心に曇りがあれば、相手に乗じられて、相手の
擬装が見わけられないようになる。欲心とうぬぼれとは最もよくない。よほど綺麗な人で....
「織田信長」より 著者:坂口安吾
口太郎兵衛という者をひきつれて、その現場へかけつける。 馬乗の太郎兵衛がワラで
擬装して鳥のまわりをソロリ/\と乗りまわして次第に近づくと、信長は鷹を拳に、馬の....
「挙国一致体制と国民生活」より 著者:戸坂潤
にも拘らず、日本国民の基本的な政治常識につながっているものであり、それがどういう
擬装・覆面・した形で表現されるにしても、底意として到底一朝一夕に取り除くことの出....