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擬音
「擬音〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
擬音の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「酒の追憶」より 著者:太宰治
と言いも終らず番頭、がっぱと泣き伏し、お内儀、 「げえっ!」とのけぞる。木枯しの
擬音。 ほとんど、ひや酒は、陰惨きわまる犯罪とせられていたわけである。いわんや....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
いだ結果、希代の名品をくふうしたのです。 それまでは小鳥の種類によっていちいち
擬音の小笛を取り替えねばならなかったのですが、新たにくふうされたその名品というの....
「軍用鮫」より 著者:海野十三
りがりがり、と激しい衝撃音がする。 くわっくわっくわっ、と、オットセイのような
擬音のうまい鮫もまじっていた。そのとき楊《ヤン》博士は、ころよしと銅鑼《どら》の....
「省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
よって考えをかき乱しました。兎に角、薬莢を拾わせたり、時にはタイヤをパンクさせて
擬音を利用したり、うまくごまかしていましたが、最後に赤星龍子嬢の傷口によって一切....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ば、無論問題なしに、伸子が自企的な失神を計ったと云って差支えあるまい。また、何か
擬音的な方法が証明されるようなら、犯人は伸子に、失神を起させるような原因を与えて....
「正義と微笑」より 著者:太宰治
の囁きは、僕には、ひどく不愉快だった。ひゅうひゅうだの、ぎゅうぎゅうだの不愉快な
擬音ばかり多くて、いかにも悪魔の歌らしく、不健康な、いやらしい感じで、とても朗読....
「比較言語学における統計的研究法の可能性について」より 著者:寺田寅彦
普遍なものであるから、各国に同一な楽器のあるのは当然であり、また楽器の名称が往々
擬音から生ずるとすれば、類似の名称のあるのは当然であると言って、簡単に片付けて投....
「日本楽器の名称」より 著者:寺田寅彦
かし万一そうでないかもしれない。かりに偶然でないとしたところでそれはこれらの名が
擬音的であるために生ずる自然の一致であるか、あるいは伝統因果的関係から来るのか、....
「映画芸術」より 著者:寺田寅彦
従来のステュジオが役に立たなくなるとか、実際の雑音はまるで別物に変わるから適当な
擬音を捜すとか、動き回る役者の声をどうして録音するかというようないろいろの問題が....
「骸骨館」より 著者:海野十三
係が右と左と二人必要なんだ。それから、シロホンをひっかいてかりかりかりと音を出す
擬音係もいるんだ。この音は骸骨の骨が鳴る音をきかせるんだ。これでちょうど人員は五....
「言葉の不思議」より 著者:寺田寅彦
ら笑ふ」「へらへら笑ふ」というから g+l や h+l のような組み合わせは全く
擬音的かもしれない。マレイの glak も同様である。馬の笑うのは ilai で....
「耳と目」より 著者:寺田寅彦
ならびに発音器械の不完全から来る欠点である。そのために、ほんとうの音よりも適当な
擬音のほうがかえってほんとうらしく聞こえるというおもしろい現象も起こるのである。....
「新学期行進曲」より 著者:海野十三
世界のものが我々の立体世界に交わると、それが幽霊に見えるのです。 △幽霊の消える
擬音と怪奇音楽よろしくあって……。 第三景 受験生の親達 △遠くでラジオが....
「笑について」より 著者:岸田国士
つふつふ」。又、「からから」「げらげら」「きやツきやツ」など、これはいずれも、「
擬音」であります。ざつと、こんなところかと思います。 話を前に戻して、人間はな....
「チェーホフの短篇に就いて」より 著者:神西清
抜けた」と書けば、月夜が出来あがるでしょうと言っている。 全く同様の発明として
擬音の唐突な挿入があるが、重要な点は彼がこうした手法の使い方を実によく心得ていた....