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擯
「擯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
擯の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
財産がないために、結婚の形式を取らずに結婚すれば、その子は私生児として生涯隣保の
擯斥を受けねばならぬ。 社会からいったならば、かかる欠陥は縦令必然的に起って来....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
批判される行動でもあったのかと胸をうたれた。そして夫人の笑の性質によって、それが
擯斥されるべきものであったのか看て取りたく思った。だが、かの女が夫人を凝視したと....
「ルバイヤート」より 著者:小川亮作
は拝火教であった。しかしそれはイスラム教徒にイランが征服されてから後は邪教として
擯斥された。 75 久遠の花嫁――自然、人生。 77 葡萄樹の娘――葡萄の実から....
「天馬」より 著者:金史良
終る頃のっそりと現われたのだ。が、そこには彼を朝鮮文化の怖ろしいだにとして憎悪|
擯斥《ひんせき》している男女ばかりがずらりと並んで、面々に興奮と緊張の色をみなぎ....
「書記官」より 著者:川上眉山
ぞ。 * * * それはお前の一克というものだ。そんなに
擯斥したものではない。何と言っても書記官にもなっている人だ。お前も少しは我を折っ....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
ト風に染みて腐敗した奴はともかく、そうでない限りそんな人間はまずカム種族の中から
擯斥されてしまうです。カムの女子達はどうも余程|情ないようで、愛らしい所はちっと....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
りという。 普通の米国人はヤソ教外の宗教を信ずるものを外道と称し、ただにこれを
擯斥するのみならず、人類より一等下るもののように考うるの風あり。しかして、なにゆ....
「西航日録」より 著者:井上円了
の多き、車夫の人を見て賃銭を高下するがごときは、みな東洋的なり。ただし、他国人を
擯斥しあるいは軽蔑するの風の見えざるは、ひとり称すべし。市街の秩然たる、物価の不....
「特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
な事をして世間から嫌われたという事もあったでありましょう。したがって世間の圧迫と
擯斥とは次第に彼らの上に加わる。その結果彼らはますます貧乏して、いよいよ不潔にも....
「特殊部落と寺院」より 著者:喜田貞吉
であるにかかわらず、ひとり世間からのみならず、自他平等を口にする宗内に於いてすら
擯斥せられるに至ったのは、痛切に同情を感ずる次第である。 この名誉ある、尊敬す....
「エタ源流考」より 著者:喜田貞吉
、またエタの流れを構成する源流の一つとなっているのである。 かつてエタ寺として
擯斥せられた寺院の住職は、当初は他からエタ教化の為に住み込んだもので、もとは無論....
「「特殊部落研究号」発行の辞」より 著者:喜田貞吉
難きものあるに至れり。ことに余輩の研究の結果によれば、彼らが特に甚だしく世に軽侮
擯斥せらるるに至りしは、近く徳川太平の世、社会の階級思想の著しく発達せし以来の事....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
仲間を脱して、社会にしかるべき地位を獲得したものもあれば、堕落してますます世人の
擯斥を受くるものとなったのもある。したがって室町時代の記録文書にみえる声聞師(唱....
「特殊部落ということについて」より 著者:喜田貞吉
や、独占事業は奪われてしまった。従来彼らはその特権と独占事業とによって、世間から
擯斥せられながらも、ともかくも安穏に生活していたのであったが、それから後は甚だし....
「融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
ような意味に変ってしまいました。所属の村落都邑からは、厄介な寄生虫であるかの如く
擯斥せられます。それでも彼らは相変らず辛抱して、どこまでも身を屈して、活きるだけ....