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擱筆
「擱筆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
擱筆の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
いて、やがてその中に呑み込まれてしまった。
(一九一七、六、一三、鶏鳴を聞きつつ
擱筆《かくひつ》)....
「鼻」より 著者:ゴーゴリニコライ
々わたくしの心より切望していることでございますもの。では、そうなれかしと祈りつつ
擱筆いたします。かしこ。 アレクサンドラ・ポドトチナ プラトン・グジミッチ様 ....
「科学と文学」より 著者:寺田寅彦
科学と文学という題のもとに考察さるべき項目はなお多数であろうが、まずこのへんで
擱筆して余は他の機会に譲ることとする。 緒論で断わってあるとおり、以上の所説は....
「今昔ばなし抱合兵団」より 著者:海野十三
調べを続けることにした。しかしそれは最早八月八日分の日記ではなくなるから、ここで
擱筆する。 6 それからまた十年たった。五十×年八月八日となった。こ....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
っているうちに予定の紙数は尽きてしまった。芝居の本文は他の連中へ譲って私はこれで
擱筆する。 挿入の絵は公設市場に蟹が並べてあるのではない。忠臣蔵四段目、福助の....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
業の深浅を知る事が出来るとさえ私は思っている。かく雑然と書いていると長くなるので
擱筆する。 画室の閑談 A 京都、島原に花魁がようやく余命を保....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
業の深浅を知る事が出来るとさえ私は思っている。かく雑然と書いていると長くなるので
擱筆する。 (「アトリエ」昭和四年三月) 二科会随想 今年の二科は会場の....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
りたる、栄華の巷低く見て……」 読者諸君、回数にかぎりあり、この物語はこれにて
擱筆します。もし諸君が人々の消息を知りたければ六年前に一高の寮舎にありし人につい....
「学位について」より 著者:寺田寅彦
題に関しては述ぶべき事はこれに尽きないが、与えられた紙幅が既に尽きたから、これで
擱筆する外はない。執筆の動機はただ我邦学術の健全なる発達に対する熱望の外には何物....
「白銅貨の効用」より 著者:海野十三
って行ったものである。この外、白銅貨の効用は甚だ多種なるも約束の紙数に達したれば
擱筆する。要するに十銭白銅貨は単なる貨幣だとばかり考えている方があったら、それは....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
木令嬢の事、兎も角も相迎候事と決心仕候。併し随分苦労の種と存候。夜深く相成候故|
擱筆仕候。草々不宣。 十二月五日林太郎 小金井きみ子様 賀古....
「赤げっと 支那あちこち」より 著者:国枝史郎
実写を見せて貰ったりした。等、々、書くことは山ほどある。しかし長くなった。これで
擱筆することにしよう。....
「子規居士と余」より 著者:高浜虚子
るに居士の好意に辜負した生涯であったのであろう。 (大正三年二月十三日夜十一時半
擱筆)....
「案内人風景」より 著者:黒部溯郎
らない登山風景を述べてしまった。 せめて、この案内者を、彼の家にまで送り届けて
擱筆しなければならない。 山からの彼の帰りを待ち兼ねていた彼の女房は、彼の顔を....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:ヴェーゲラーフランツ・ゲルハルト
したときに。――これは皆がいつまでも忘れることのできない喪失でございます。これで
擱筆致します、親愛なベートーヴェン、私どものことをお忘れ下さいませぬよう。 エレ....