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擲
「擲〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
擲の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「文章」より 著者:芥川竜之介
呼ばれる副校長の役をしているのである。保吉はやむを得ず弔辞に関する芸術的良心を抛
擲《ほうてき》した。
「資性《しせい》穎悟《えいご》と兄弟《けいてい》に友《ゆう....
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
がな。それをおぬしは、わしを親とも思わぬ。思わぬどころか、場合によっては、打ち打
擲《ちょうちゃく》もするではないか。そのおぬしが、わしにばかり、沙金を子と思えと....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
せん》を三枚取り出した。穴銭は皆一枚ずつ、薄赤い絹に包んであった。
「私の占いは
擲銭卜《てきせんぼく》と云います。
擲銭卜は昔｜漢《かん》の京房《けいぼう》が、始....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
老紳士などは舷梯を下りざまにふり返りながら、後《うしろ》にいる苦力《クウリイ》を
擲《なぐ》ったりしていた。それは長江を遡《さかのぼ》って来た僕には決して珍しい見....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
く》を起すと、半之丞の胸《むな》ぐらをとって引きずり倒し、麦酒罎《ビールびん》で
擲《なぐ》りなどもしたものです。けれども半之丞はどう言う目に遇《あ》っても、たい....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
手に報いるため、肉弾になろうと決心した。……
その夜《よ》の八時何分か過ぎ、手
擲弾《しゅてきだん》に中《あた》った江木上等兵は、全身｜黒焦《くろこげ》になった....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
止って、暫く息を入れようとした時、無情にも罵詈《ばり》を浴せかけた上で、散々｜打
擲《ちょうちゃく》を加えさえした。その時負うたのが、「行けと云うなら、行かぬでも....
「或る女」より 著者:有島武郎
といっても信用と金だ。官界に出ないのなら、どうしても実業界に行かなければうそだ。
擲身《てきしん》報国は官吏たるものの一特権だが、木村さんのようなまじめな信者にし....
「女仙」より 著者:芥川竜之介
すると眉を吊り上げた彼女は、年をとった木樵りの爺さんを引き据え、ぽかぽか白髪頭を
擲っているのです。しかも木樵りの爺さんは顔中に涙を流したまま、平あやまりにあやま....
「三つの窓」より 著者:芥川竜之介
ていた。が、Ｓの返事をしないのを見ると、急に彼に忌々しさを感じ、力一ぱい彼の頬を
擲りつけた。Ｓはちょっとよろめいたものの、すぐにまた不動の姿勢をした。 「誰が外....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
。胸ぐらをとって小突きまわしたり、床の上へ突き倒したりしたものである。僕も一度は
擲られた上、習字のお双紙をさし上げたまま、半時間も立たされていたことがあった。こ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
思わない。漫然と私自身を他の境界に移したら、即ち私の個性を本当に知ろうとの要求を
擲ったならば、私は今あるよりもなお多くの不安に責められるに違いないのだ。だから私....
「犬」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
り不意であったために泣いたのだ。さて百姓は蹣跚きながら我家に帰った。永い間女房を
擲って居た。そうしてたった一週間前に買って遣った頭に被る新しい巾を引き裂いた。 ....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
が、たまたま咽喉を病み、演説や説教を医師から厳禁されたので、止むなく永久に教職を
擲つこととなった。彼のロンドン生活はそれから始まったのである。 彼がロンドン大....
「茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
間に可憐な音をころがしつつ遊んでいる。いたずらに小石や落ち散った木枝などを拾うて
擲げつけても、身に当らない限りはさして驚き易く逃げようとはしない。白雲の退き去る....