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「擲る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

擲るの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
女仙」より 著者:芥川竜之介
―」 書生は彼女の手を抑え、熱心にたしなめにかかりました。 「第一年上のものを擲るということは、修身の道にもはずれている訣です。」 「年上のものを? この木樵....
端午節」より 著者:井上紅梅
な大|見栄を切るのだろうと、そう思うと何の不平も起らなくなった。また兵隊が車夫を擲ると以前はむっとしたが、もしこの車夫が兵隊になり、兵隊が車夫になったら大概こん....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
いというのは確かにあなたはチベット仏教に侮辱を加えたのである。そういう悪魔はぶん擲る」というて前にあるレクシン(経帙の締木)を取り左の手に私の胸倉を捉まえて私の....
獄中生活」より 著者:堺利彦
袋、ボロボロの股引など、それはそれは明細なことで、人の頭の一つや二つぐらい平気で擲るくせに、事いやしくも財物に関するときは、一毫の微一塵の細といえども、決して決....
塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
御勘弁なされて下さいまし」 角「私も斯ういう事になるんなら話合いにしたものを、打擲るべえと思ったら此様な事になってしまって、誠に気の毒だ」 多「お父さん、なんで....
名人長二」より 著者:三遊亭円朝
悸ともする幸兵衞じゃア無えぞ……えゝ何をするんだ、放せ、袂が切るア、放さねえと打擲るぞ」 と拳を振上げました。 長「打つなら打ちなせえ、お前さんは本当の親じ....
麦の芽」より 著者:徳永直
ん畜生、立たねえか、そらおめえの臀の下で、麦が泣いてるでねえか、こん畜生、モ一つ擲るぞ」 善ニョムさんは、また天秤棒を振りあげたが、図々しく、断髪娘はお臀をな....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
りにも岩見と張合ってみようという意気組みのものは一人も見えない、岩見はあいつらを擲るように、あいつらは岩見に擲られるように仕組んであるのが見え透《す》いて、ばか....
「インガ」」より 著者:宮本百合子
働者の考えかたや習癖を今日まで引っぱって生きている男である。第一酒を飲む。女房を擲る。手をあげて擲るのは自分の女房だけであるが、それはつまり彼のもっている女性観....