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支え
「支え〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
支えの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
お鈴はこの頼みに応じる前に腰ぬけの母に相談した。それは彼女の失策と云っても差し
支えないものに違いなかった。お鳥は彼女の相談を受けると、あしたにもお芳に文太郎を....
「影」より 著者:芥川竜之介
だけは確かである。陳は思わず塀の常春藤《きづた》を掴《つか》んで、倒れかかる体を
支えながら、苦しそうに切れ切れな声を洩らした。
「あの手紙は、――まさか、――房....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
景色かも知れない。』三浦『すると君は景色なら、少しくらい旧弊《きゅうへい》でも差
支えないと云う訳か。』私『まあ、景色だけは負けて置こう。』三浦『所が僕はまた近頃....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
んだが、………」
「宿は日本人|倶楽部《くらぶ》に話してある。半月でも一月でも差
支えない。」
「一月でも? 常談言っちゃいけない。僕は三晩泊めて貰えりゃ好いんだ....
「沼地」より 著者:芥川竜之介
な油絵を一枚発見した。発見――と云うと大袈裟《おおげさ》だが、実際そう云っても差
支えないほど、この画だけは思い切って彩光の悪い片隅に、それも恐しく貧弱な縁《ふち....
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
るのを常としていた。なぜまた毎日汽車に乗ったかと云えば、――そんなことは何でも差
支えない。しかし毎日汽車になど乗れば、一ダズンくらいの顔馴染《かおなじ》みはたち....
「女」より 著者:芥川竜之介
っている、庚申薔薇《こうしんばら》の枝へなだれ出した。彼等のある一団は炎暑を重く
支えている薔薇の葉の上にひしめき合った。またその一団は珍しそうに、幾重《いくえ》....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
め》な調子を帯びた。この意味で、会話は、彼の意図通り、方向を転換したと云っても差
支えない。が、転換した方向が、果して内蔵助にとって、愉快なものだったかどうかは、....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
黒い暈《かさ》をとっている。しかし大体《だいたい》の目鼻だちは美しいと言っても差
支えない。いや、端正に過ぎる結果、むしろ険《けん》のあるくらいである。
女はさ....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
彼等の間から一種のどよみが起った時には、彼はすでに突兀《とつこつ》たる巌石を肩に
支えながら、みずらの髪を額《ひたい》に乱して、あたかも大地《だいち》を裂《さ》い....
「少年」より 著者:芥川竜之介
さい》は?――芸術は諸君の云うように何よりもまず内容である。形容などはどうでも差
支えない。
五 幻燈
「このランプへこう火をつけて頂きます。」
....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
い顔をするものである。尤《もっと》もその情熱なるものはパラソルに対する情熱でも差
支えない。
世間智
消火は放火ほど容易ではない。こう言う世間智の代表....
「運」より 著者:芥川竜之介
た一人のおふくろに死別《しにわか》れた後で、それこそ日々《にちにち》の暮しにも差
支えるような身の上でございましたから、そう云う願《がん》をかけたのも、満更《まん....
「田端日記」より 著者:芥川竜之介
て、少し議論をした。どうせ暇つぶしにやる議論だから勝っても負けても、どちらでも差
支えない。その中に赤木は、「一体支那人は本へ朱で圏点をつけるのが皆うまい。日本人....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
だの下から滑ってはずれそうになるのが感じられた。彼は鞍の前輪をつかまえ、しっかり
支えていようとした。しかし、駄目だ。あわやという間に彼は老ガンパウダーの首をつか....