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「支点〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

支点の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
いるのだが、大体が平たい真鍮|桿の端に遊離しているもので、その桿の上下によって、支点に近い角体の二辺に沿い起倒する仕掛になっている。そして、支点に近づくほど起倒....
柿の種」より 著者:寺田寅彦
すがに役者である。 たとえば手の運動につれて、帽子がある位置に来て、その重心が支点の直上に来るころ、不安定平衡の位置を通るときに、ぐらぐらと動揺したりする、そ....
芝刈り」より 著者:寺田寅彦
こらを散歩する事にした。しばらく歩いて帰って来て見ると目くぎはもうさされていて、支点の軸に油をさしているところであった。店先へ中年の夫婦らしい男女の客が来て、出....
現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
あるのだという新しい哲学的発見のことだというのであって、客観から主観にまで世界の支点を転回したことだということになっているが、なぜこの転回がコペルニクス的と呼ば....
動かされないと云う事」より 著者:宮本百合子
だろうと思います。 けれ共有難い事には、此の一二年同じ動くにしても、或る一点の支点だけは不動に確立して居る事を信じられる様になったのは嬉しい。 只それ丈で、....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
、皆になっているのだった。クリストフがおのれの芸術の槓桿《こうかん》をすえるべき支点を見出し得るのは、まだここでではなかった。否彼はこの民族とともに、砂漠《さば....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ガヴローシュは歌を歌いながら、盛んに身振りをして行った。身振りは反唱句の支点である。尽くることなく種々の面相に変わり得る彼の顔は、烈風に翻る布の裂け目よ....
哲学入門」より 著者:三木清
こまでも自己が自己を限定するという自律的なところがなければならぬ。歴史的なものの支点はつねに形である。形は単に客観的に捉えられ得るものでなく、却って形は主観的な....
現代美学の危機と映画理論」より 著者:中井正一
また、ようやく絶えまなく成長しつづけたが故に、美学論をかえってくつがえすテコの三支点ともなりつつあるかのようである。 第一点の、映画がこれまでもった利潤性は、....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
に、特に後足にこもっている。いつでも地をけって飛びだす柔軟性をひそめて全部の力の支点となっている。 木剣はやや腕をまげて軽くひきつけて横に倒してかまえている。....
長崎の鐘」より 著者:永井隆
はさまれたせんべいのように、かくもびっしゃり圧しひしゃがれていると、身体のどこを支点にどう動こうかと考えることもできない。顔もうっかり動かされない、そこら一面硝....