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支那鞄
「支那鞄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
支那鞄の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「明暗」より 著者:夏目漱石
、何気ない風をして叔母の動作を見守っていた。その叔母はついと立って戸棚の中にある
支那鞄《しなかばん》の葢《ふた》を開けて、手に持った畳紙をその中にしまった。
....
「門」より 著者:夏目漱石
棚《とだな》を明けた。下には古い創《きず》だらけの箪笥《たんす》があって、上には
支那鞄《しなかばん》と柳行李《やなぎごり》が二つ三つ載《の》っていた。 「こんな....
「船」より 著者:島崎藤村
時は、山本さんは全く独りぽっちの自分を旅舎の二階に見出した。部屋の隅にある大きな
支那鞄なぞが唯彼を待っているばかりだった。錯々《せっせ》と働いて余分に貯めて来た....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
ないぞと云う意気込で三光町に出かけた。 隣家について聞いて見ると、出した荷物は
支那鞄に柳行李合せて四、五個らしく、手荷車で引出したのだが、さて運送店の事になる....
「蒲団」より 著者:田山花袋
を選んで床に懸け、懸花瓶には後れ咲の薔薇の花を※した。午頃に荷物が着いて、大きな
支那鞄、柳行李、信玄袋、本箱、机、夜具、これを二階に運ぶのには中々骨が折れる。時....
「三月の第四日曜」より 著者:宮本百合子
った。 「勇ちゃん」 皆と同じように小倉服に下駄穿きで足許のホームに小型の古い
支那鞄をおいて立っている勇吉は、サイの声がきこえないのかぼんやりした視線を周囲の....
「妾の半生涯」より 著者:福田英子
るなり。かくて妾は爆発物の原料たる薬品|悉皆《しっかい》を磯山の手より受け取り、
支那鞄《しなかばん》に入れて普通の手荷物の如くに装い、始終|傍《かたわ》らに置き....