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支障
「支障〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
支障の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「真田幸村」より 著者:菊池寛
は、霧深くして、夜の明も分らなかったので幸村の出陣が遅れたのである。若し、そんな
支障がなかったら、関東軍は、幸村等に、どれ程深く切り込まれていたか分らない。 ....
「四次元漂流」より 著者:海野十三
を裏切ることにもなり、またやがて夕刻からおこなわれる雪子学士の幽霊招待の実験にも
支障をおこすことになりはしないかと危ぶまれるのであった。 出現の時刻 古....
「空襲警報」より 著者:海野十三
機一台であります。他に照空灯、聴音機等若干の損害を受けましたが、爾後の戦闘には、
支障なき程度でございます」 「軍隊以外の死傷は」 「死者約七十名、重傷者約二百名....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
ねばならなかった立身出世の夢である。 今は昔で、既に過去となりきって、どこにも
支障があろうはずもなかろうからと、鶴見も打明け話をする気になっている。これまで誰....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
で頑固で人と容れないで、思う通りをやってのける、俺の性質や暮らし方が、娘の出世に
支障わったら、済まないことになるのだがなあ」
これに思いが至ったからであった。....
「死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
ぶ恩師の顔を見て、一家相伝の極意秘伝を停滞なく受けていなければ成らぬのが、意外な
支障に引掛って、三月余りを殆ど囚虜の身に均しく過ごしたのであった。 常陸の国、....
「坑鬼」より 著者:大阪圭吉
、また坑道は炭車の通行に必要な程度にしか設計されていず、なにかと手狭で、そうした
支障のために少しでも出炭率の低下するのを恐れたからでもあった。 医員の仕度が出....
「イプセン百年祭講演」より 著者:久保栄
の席上でも、何を選ぶかについては諸説ふんぷんたるものがあったのですが、まず第一に
支障なく選ばれたのは「ノラ」でありまして、これは、イプセンの作品中、もっともポピ....
「審判」より 著者:カフカフランツ
け三年になる。母はあのとき、お前の誕生日には来るようにと頼んだので、彼もいろいろ
支障はあったがその頼みに応じ、誕生日のたびごとに母のもとで過すよう約束さえしたの....
「変身」より 著者:カフカフランツ
小さな脚はがさがさいった。どうも傷はみなすでに完全に癒ったにちがいなかった。もう
支障は感じなかった。彼はそのことに驚き、一月以上も前にナイフでほんの少しばかり指....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
船を求めたので、この二人がともどもに彼をこの受難から救ってくれ、以後、彼は公務に
支障の起こることはなくて済んだ。 とはいうものの、侍史が役にたつなら、伯爵もま....
「人間否定か社会肯定か」より 著者:小川未明
のではあるまいか。 自分達の生活――それは、実利的な、独善的な――たゞ、それが
支障なく送られゝばそれでいいという考えから、広く人類について、また社会について、....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
用です。 人間の体の皮膚に老廃物が溜れば 一つ一つの毛孔がふさがり ついに健康に
支障を来すように 人間の心にも 心を活かして行く上に不必要なものがたまる。 たと....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
たがって事情がこれを許し、解放を得さえすれば、彼らはいつもとの良民となるも、何ら
支障がなかったのであった。 奴婢と並べて大宝令に、五色の賤民の一つとして数えら....
「茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
を欣ばしめるものは、渓谷深く生い立った松の樹幹とそうして其の葉の色彩である。何の
支障するものなく自然に極めて自由に生い育った彼は、その樹幹の茶褐色の濃さ、その葉....