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改札
「改札〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
改札の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「影」より 著者:芥川竜之介
った。
鎌倉。
下《くだ》り終列車の笛が、星月夜の空に上《のぼ》った時、
改札口を出た陳彩《ちんさい》は、たった一人跡に残って、二つ折の鞄《かばん》を抱え....
「妙な話」より 著者:芥川竜之介
うまでは、仕合せと何事も起らなかった。ただ、夫の同僚を先に、一同がぞろぞろ薄暗い
改札口を出ようとすると、誰かあいつの後《うしろ》から、「旦那様は右の腕に、御怪我....
「或る女」より 著者:有島武郎
るので、葉子は黙ったまま青年とならんで小刻みな足どりで、たった一つだけあいている
改札口へと急いだ。
改札はこの二人《ふたり》の乗客を苦々《にがにが》しげに見やりな....
「星座」より 著者:有島武郎
。
三隅さんのお袋とおぬいさんとが親切に介抱してくれるので、婆やは倒れもせずに
改札口を出たが、きゅうに張りつめていた気がゆるんで涙がこみあげてきそうになった。....
「浜菊」より 著者:伊藤左千夫
。男らしい客が四五人又後から出た。一寸《ちょっと》時計を見ると九時二十分になる。
改札口を出るまでは躊躇《ちゅうちょ》せず急いで出たが、夜は意外に暗い。パッタリと....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
二合半が処フイにした。さあ、まあ、お乗んなせえ。」 荷物を引立てて来て、二人で
改札口を出た。その半纏着と、薄色背広の押並んだ対照は妙であったが、乗客はただこの....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
けてくださいよ。足もとが暗いですから」といつになく親切だ。下におりたが、さて駅の
改札はどこだかわからぬ。焼けてしまった上に、まっくらだからである。 ようやく見....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
ふらふらする足を踏みしめて、清潔に掃除の行届いている地下舗道を下りていった。すぐ
改札口に出る。僕は、リーマン博士から渡された切符を見せる。 でかい腹を持った番....
「英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
へ下りていった。 ホームは、ひどく雑閙していた。何を買おうかなと思っていると、
改札口の向こうで、新聞売子が、新聞を高くさし上げて、何か喚いていた。彼は、これを....
「雷」より 著者:海野十三
車が比野駅構内に入るのも遅しとばかり、ヒラリとホームの上に飛び下りた。それから、
改札口を跳び越えんばかりにして、駅の出口に出たが、なにしろ物凄い土砂降りの最中で....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
摩の灰ででもあるように聞えるじゃ。」と杖を一つとんと支くと、後の雁が前になって、
改札口を早々と出る。 わざと一足|後へ開いて、隠居が意見に急ぐような、連の後姿....
「わがまま」より 著者:伊藤野枝
た飛行機の模型を買うのを口実に、銀座の通りまで行くといって停車場を出ようとした。
改札時間までに間があったので―― 「僕が一緒に行ってやろう」 男はすぐに気軽に....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
を想わせる、断崖の丸木橋のようなプラットフォームへ、しかも下りたのはただ二人で、
改札口へ渡るべき橋もない。 一人がバスケットと、一人が一升|壜を下げて、月はな....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
て、馬鹿さが堪らない。お前さん、あたふた、次の駅で下りましたがね。あわてついでに
改札口だか、何だか、ふらふらと出ますとね、停車場も汽車も居なくなって、町でしょう....
「蜜柑」より 著者:芥川竜之介
待つともなく待ちかまえていた。ところがそれよりも先にけたたましい日和下駄の音が、
改札口の方から聞え出したと思うと、間もなく車掌の何か云い罵る声と共に、私の乗って....