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放し飼い
「放し飼い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
放し飼いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「畜犬談」より 著者:太宰治
けっして噛まないということは、科学的に証明できるはずはないのである)その猛獣を、
放し飼いにして、往来をうろうろ徘徊《はいかい》させておくとは、どんなものであろう....
「HUMAN LOST」より 著者:太宰治
ぬ。むこうのきびしく、さいそくせぬうちは、永遠に黙している。たいてい、二年、三年
放し飼い。みんな、出ること許《ばか》り考えている。 一、外部との通信、全部没収。....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
あっちの女も伝馬町へいっしょに引いていけよ。病気が直るまでじゃ。物騒で、うっかり
放し飼いはできねえからな。――眠白もまた覚悟をしろよ。ともかくも、人間ひとりをな....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
。あいつ案外の正直者だから、なにかの囮《おとり》になるかも知れねえ。まあ、当分は
放し飼いだ」 途中で松吉に別れて、半七は再び緑屋の門《かど》に立った。 「又お....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ったが、やがて又引っ返して表へ出て来た。ここですぐに取り押さえようか、もうちっと
放し飼いにして置いて其の成り行きを見とどけようかと、半七はちょっと思案したが、結....
「先生への通信」より 著者:寺田寅彦
から谷底へおりてシャモニの村まで歩きましたが、道ばたの牧場には首へ鈴をつけた牛が
放し飼いにしてあって、その鈴の音が非常にメロディアスに聞こえます。また番人の子供....
「ガリバー旅行記」より 著者:スウィフトジョナサン
たところに、小屋を作って、ヤーフを飼っていますが、その他のヤーフは、すべて野原に
放し飼いにされているのです。彼等はそこで、木の根を掘ったり、草を食ったり、肉をあ....
「猫の草紙」より 著者:楠山正雄
」 「はい、和尚さまも御存じのとおり、このごろお上のお言いつけで、都の猫が残らず
放し飼いになりましたので、罪のないわたくしどもの仲間で、毎日、毎晩、猫の鋭い爪さ....
「別れの辞」より 著者:豊島与志雄
あるのだが、後者の場合にも、その行く先々……足跡が、大凡きまっているものである。
放し飼いにされている犬でさえ、うろつき廻る道筋は大抵きまっている。ところがあの頃....
「夢の図」より 著者:豊島与志雄
なお、蛇や蜥蜴や守宮《やもり》の類もよいけれど、金網の中では惨めだし、或る程度の
放し飼いをするには、逃亡を防ぐこと困難だろう。 さて、それら自然の風致と動植物....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
竜眼肉をとりよせるやら、日に四度色の変る牡丹を庭に植えさせるやら、白孔雀を何羽も
放し飼いにするやら、玉を集めるやら、錦を縫わせるやら、香木の車を造らせるやら、象....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
白衣に赤い袴の神様に奉仕の娘さんがタクサン雇われていることだね。まるで境内で鹿を
放し飼いにしておくような要領で、この神社の山上高くて広々した境内のあッちこッちに....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
熊の仔がほしいなど思った。 いつか宝塚へ遊びに行ったら、事務所の連中が熊の仔を
放し飼いにしていた。三、四ヶ月まではよかったが、だんだん歯や爪が生えてくると、人....
「中支遊記」より 著者:上村松園
まさに好個の山水図であった。 楊柳をあしらった農家が五、六軒も点在したろうか。
放し飼いの牛が遊んでいる。悠々たる百姓の姿が見える。いまは葉を落とした桃の木があ....
「ワーニャ伯父さん」より 著者:神西清
そのあいだに、病人は、うじゃうじゃ出てくる。僕の森や苗木の林じゃ、百姓が牛や馬を
放し飼いにする。……まあ、こんな具合に、あなたがた夫婦という人は、どこへ行っても....