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放る
「放る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
放るの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
奴だ」
と側にある飲冷《のみざま》しの大盃《おおさかずき》を把《と》ってぽんと
放ると、花車の顔から肩へ掛けてぴっしり埃だらけの酒を浴《あび》せました。
花「....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
麩羅はうまいものであった。海浜随処に※瑰の花が紫に咲き乱れて汐風に香る。
野糞
放る外が浜辺や※瑰花
大沼
(一)
津軽海....
「夜の若葉」より 著者:宮本百合子
なっていた。 黒と白とのそのまだら犬はちっとも訓練されていない野放しで、桃子が
放る枯木の枝をおっかけてその方へかけ出しはするけれど、それを咬《くわ》えて戻るこ....
「今朝の雪」より 著者:宮本百合子
は早すぎるが、これではもう重いという風にソフトを無雑作に頭からもぎとって、そこへ
放るようにおきながら、自分もそこへあぐらをかいた。 「やっと放免してもらったよ」....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
マ人は盛礼と祭典の集会においてのみ屁を制禁したが、その他の場所また殊に食時これを
放るを少しも咎めず、ただしアプレウスの書に無花果《いちじく》の一種能く屁放らしむ....
「獄中記」より 著者:大杉栄
この少年はひょうきん者で、一日みんなを笑わせては騒いでいた。誰かがブッと屁を
放る。するとこの少年は、「うん、うん、よしよし」なぞと、赤ん坊でもなだめすかすよ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
もりしていらっしゃるよりも多いめにしてね。たしかにこれはいい思いつきです。マリを
放るにもむこうにうけとる人か壁かがなくては張合ないようなもので、お母さんにしろ何....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
ちは一人ですから、僕が見かねて、そばへ寄って行きますとね、坊ちゃんが僕にまで石を
放るじゃありませんか。二度目のが僕の頭に当たりました。で、僕が何の恨みがあるのか....
「丸の内」より 著者:高浜虚子
る。 そのボーイは、丁度窓の敷居の前に積っておる雪を、手のひらに丸めてはそれを
放るのである。 きょうは日曜である。しかも雪が降っている。時計はさっき十二時を....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
早の連中が降り出す。「あぶない、あぶない。」である。 と、ランチにまたロップを
放る。ランチはまた波飛沫を上げ上げ、半弧をえがいて、ぽつぽつぽつと引き返してゆく....