放れ馬[語句情報] » 放れ馬

「放れ馬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

放れ馬の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
井戸端へ飛んだと思う、総長屋の桝形形の空地へ水輪なりにキャキャと声が響いた。 「放れ馬だよ、そら前町を、放れ馬だよ、五匹だ。放れ馬だよッ。」 跫音が、ばたばた....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
って向う岸を見込むと、その鼻先へ、今の今までまっしぐらという文字通りに走って来た放れ馬の奴が、不意に乗返して来たものですから、その当座の米友は土用波の返しを喰っ....
真夏の夢」より 著者:有島武郎
※をかけておきました。 するとどこかで馬のいななくような声が聞こえたと思うと、放れ馬が行く手に走り出て道のまん中にたちふさがって鳴きました。その鳴き声に応ずる....
剣侠」より 著者:国枝史郎
み、宿の郊外まで辿りついた。 と、この辺りも避難の人々で、相当混雑を呈してい、放れ馬も時々走って来た。火事の光は勿論届きほとんど昼のように明るかった。 その....
魔像」より 著者:林不忘
ずのお絃、白ちりめんの蹴出《けだ》しが闇黒《やみ》におよいで、尻っぽに火のついた放れ馬のよう、それこそ、足もと知らずにスッ飛んで行く。 「いや、それは。押し出し....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
どいよ。ことに教育課長が引っ懸っているカフェー・アブナイの梅子というのは、鼻毛で放れ馬を繋ぐとまで言われている妖婦なんじゃ」 「困ったものに引っ懸ったもんじゃな....