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放免
「放免〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
放免の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
ら、また片目を地に伏せて、黙々と歩きはじめた。――
(おれが右の獄《ひとや》の
放免《ほうめん》をしていた時の事を思えば、今では、遠い昔のような、心もちがする。....
「運」より 著者:芥川竜之介
何だか片時《かたとき》もこうしては、いられないような気になりました。何さま、悪く
放免《ほうめん》の手にでもかかろうものなら、どんな目に遭《あ》うかも知れませぬ。....
「藪の中」より 著者:芥川竜之介
やれやれ、何とも申しようのない、気の毒な事を致しました。
検非違使に問われたる
放免《ほうめん》の物語
わたしが搦《から》め取った男でございますか? これは....
「夜行巡査」より 著者:泉鏡花
んとなれば背後はすでにいったんわが眼《まなこ》に検察して、異状なしと認めてこれを
放免したるものなればなり。 兇徒《きょうと》あり、白刃を揮《ふる》いて背後《う....
「ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
から二つに割れるボンボン入れのようなものであったろう。 海原力三は無罪となり、
放免された。 しかし丘田医師は、あの夜から、どこへ逃げたものか、行方不明である....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
ドミとかアン・カアルとかいう半分か四分の一の奴なのだ。 そして入獄二十四日目の
放免の日には、警視庁の外事課で追放の手続きを待っている半日の間に、このアン・ドミ....
「獄中記」より 著者:大杉栄
先きに言った半病人や片輪者の連中の中へ移された。今までいたところは、新入や、翌日
放免になるものや、または懲罰的に独房監禁されたものなどの一時的にいる、特別の建物....
「続獄中記」より 著者:大杉栄
が収賄をして千葉監獄へ収監されたという記事を発見した。もっともその後証拠不十分で
放免になったと聞いたが。 教誨師については先日面白い話を聞いた。荒畑と山川とが....
「英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
てから、彼は一旦警視庁の手に渡り、それからものものしい借用証書に署名して、やっと
放免された。 それから彼は、乗車賃の借りをかえすためにも又生活をするためにも、....
「四次元漂流」より 著者:海野十三
屋がすこし明るくなった。と道夫は怪紳士から、こっちの部屋へくるようにと呼ばれた。
放免だ。暗室の怪業から
放免されたのだ。道夫は大よろこびで椅子から下りて、元の明る....
「火星兵団」より 著者:海野十三
たのか」
と、大江山課長も席から立って、掛長のそばによった。
「あれは、今朝、
放免いたしました」
「なに、千二少年を留置場から出したのか。ほう、一体、誰が千二....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
「貴様は落第だ。かえってよろしい」 と、横柄な口をきいた。 こうして第一号は
放免されたのだった。 第二号以下も、同じような取調がつづけられた。 これだけ....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
に典獄殿にも願ってある。 この手紙の公表は禁ずる。 たしか去年の今日は巣鴨を
放免になった日だったね。 * 堀保子宛・明治四十一年十二月十九日 もう....
「丹那山の怪」より 著者:江見水蔭
しましたのを、江川の旦那様がお聞きになりまして、再お調べで、その時申開きが立って
放免になりましたという。まことに珍らしい芸人でござりました」とくわしく説明した。....
「自来也の話」より 著者:岡本綺堂
こかに賍品を隠匿しているであろうと詮議したが、それも見あたらない。さりとて迂闊に
放免するわけにも行かないので、そのまま獄屋につないで置くと、その囚人がある夜ひそ....