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「放埒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

放埒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
った。そして十四日の航海の間に、いつのまにか海の心を心としていたのに気がついた。放埒《ほうらつ》な、移り気《ぎ》な、想像も及ばぬパッションにのたうち回ってうめき....
或る女」より 著者:有島武郎
する事ができる。愛子はきっと涙ながらに葉子と倉地との間にこのごろ募って行く奔放な放埒《ほうらつ》な醜行を訴えたに違いない。葉子の愛子と貞世とに対する偏頗《へんぱ....
箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
に進んで詮索するとお時はまた驚かされた。外記が小普請入りの処分を受けたのは身持|放埒《ほうらつ》の科《とが》であった。 お縫の話によると、外記はおととしの秋頃....
鳥辺山心中」より 著者:岡本綺堂
…」 「何ぞ用か」 「毎日毎晩あそび暮らしていては勤め向きもおろそかになる。兄の放埒《ほうらつ》にも困り果てた」と、源三郎は苦々《にがにが》しそうに言った。「今....
忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
にして、忠直卿を人間以上のものに祭り上げてしまった。 もうこの頃から、忠直卿の放埒《ほうらつ》を非難する声が、家中の士の間にさえ起った。 が、忠直卿の乱行は....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
も屋敷の命令であるから仕方がない。まさかに長の暇にもなるまいとはいうものの、身持放埒とかいうような名義のもとに、国許へ追い返されるぐらいのことは覚悟しなければな....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
いであることを、役人は初めてさとった。 鏡の恨み 荊州の某家の忰は元来が放埒無頼の人間であった。ある時、裏畑に土塀を築こうとすると、その前の夜の夢に一人....
岡本一平論」より 著者:岡本かの子
どは殆ど毎夜続いた位です。昼は大方眠るか外出して居るかでした。 しかしそうした放埒な、利己的な生活のなかにも、氏には愛すべき善良さがあり、尊敬すべき或る品位が....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
わったのか分からなくなって、高貴な若い貴族や放蕩者は僧侶を罵り、僧侶は若い貴族の放埒な生活を忌み嫌いました。 こういうわけで、わたしはこの二つの異った生活を認....
故郷」より 著者:井上紅梅
凡てが閏土のように辛苦麻痺して生活することを望まない。また凡てが別人のように辛苦放埒して生活することを望まない。彼等はわたしどものまだ経験せざる新しき生活をして....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
言葉つきもやさしい。色は衰えたといってもまだ残んの春を蓄えている。面だちは長年の放埒で荒んだやつれも見えるが、目もと口もとには散りかけた花の感傷的な気分の反映が....
恨みの蠑螺」より 著者:岡本綺堂
おれの番かな。」 果して彼の番になった。それから一年ほどの後に、甚五郎は身持|放埒の廉を以って留守居役を免ぜられ、国許逼塞を申付けられた。 さてその本人のお....
贋物」より 著者:葛西善蔵
い状態を、悲しい気持で傍観していねばならなかった。 永い間、十年近い間、耕吉の放埒から憂目をかけられ、その上三人の子まで産まされている細君は、今さら彼が郷里に....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
かる、突き飛ばす、赤銅色の漁師の腕はすり抜ける、嚊衆の洗濯物はばたつかす。猾智で放埒極まるものだそうである。まるで鴉の王国といった風だそうである。初めて私はこの....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
日露戦争については「この前の戦争の時に於ける日本軍の正義と仁慈が謳歌され、総ての放埒は忘れられていた。戦争者が満州の農民と永久的友誼を結ぶべき一大機会は今であっ....