» 放埓

「放埓〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

放埓の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
しゅうか》の放った細作《さいさく》は、絶えず彼の身辺を窺《うかが》っている。彼は放埓《ほうらつ》を装って、これらの細作の眼を欺くと共に、併せてまた、その放埓に欺....
星座」より 著者:有島武郎
て、今年の始に新井田氏の後妻として買い上げられたのだという事実は渡瀬の心をよけい放埓《ほうらつ》にした。うんと翻弄《ほんろう》してやろう……もしも冗談から駒が出....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
国に渡来して、まず鎌倉の北条を呪うた。呪われた高時入道の魂には天狗が棲んで、驕慢放埓の果てに一族一門みな亡び尽くしたので、味方は勝鬨をあげて故郷に帰ると、日本は....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
られたが、恋に狂っているお早はどうしても肯《き》かなかった。普通の娘の我がままや放埓《ほうらつ》とは訳が違うので、父には一種の不憫が出て、結局はそのなすがままに....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
ながらを。彼は若い、と彼はいう――ときに三十四歳だった――そして彼は「その若さを放埓と、色欲と、不浄に投げ与えました」 かつて「傲慢と虚栄と、世俗の快楽に思い上....
無惨」より 著者:黒岩涙香
起と言える者を其支店に出張させ日本の雑貨買入などの事を任せ置きたるに弟金起は兎角放埓にして悪しき行い多く殊に支店の金円を遣い込みて施寧の許へとては一銭も送らざる....
おみな」より 著者:坂口安吾
てやりだしたらいい? 言ってみろ! 畜生! 俺がそれを知っていたら、誰がくそ一々放埓に結びつけて、こんなセンチメンタルな悲哀なんぞを感じるかというのだ!....
ふるさとに寄する讃歌」より 著者:坂口安吾
して、海岸の松林を歩いた。彼は優しい心を持っていた。彼によく似た私を、彼の堕ちた放埓から遠ざけるために、はげしく私を叱責した。人々は、私を彼の少年だと誤解した。....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
に似ていやしませんか?」 二人をそうして見比べてみると、その同僚弁護士の風采が放埓なというほどではないにしても無頓著でじだらくなのを差引すれば、二人が互に非常....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
なる青まゆの女を向島の葉茶屋から退《ひ》かして正妻に直したころから、しだいにその放埓《ほうらつ》が重なり、ついにお公儀の譴責《けんせき》をうけるに及んだので、三....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
埓な旗本がひとりおるのじゃ。領民達の妻女、娘なぞを十一人も掠め奪り、沙汰の限りの放埓致しおると承わったゆえ、早速に兄が懲らしめに参ろうと思うたが、わるいことにき....
酒渇記」より 著者:佐藤垢石
う六千石を領する重臣があった。これは若い時から身持ちが悪く、いつも酒ばかり飲んで放埓であったから、父の某は臨終に家中の井戸亀右衛門を枕頭に招き、わが死後は伜の行....
松と藤芸妓の替紋」より 著者:三遊亭円朝
出した、あの時ぽろりとお泣きなすった……それからあなたの身請の相談、これは本心|放埓で、敵を討つ所存はねえに極まったとも云わないが、請け出しに掛った時は変だと思....
名人長二」より 著者:三遊亭円朝
玄石を縛りあげて厳重に取調べますと、此の者は越中国射水郡高岡の町医の忰で、身持|放埓のため、親の勘当を受け、二十歳の時江戸に来て、ある鍼医の家の玄関番に住込み、....
新釈諸国噺」より 著者:太宰治
来るよ。お前たちも、少し手伝ってごらん。まじめな気持ちになりますよ。」 さすが放埓の三人も、昔の遊び友達の利左の浅間しい暮しを見ては、うんざりして遊興も何も味....