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「放念〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

放念の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:太宰治
事は一度も致しませんでした。また友達に見せて騒いだ事もございません。その点は、御放念下さい。なおまた、私の人格が完成してから逢って下さるのだそうですが、いったい....
風の便り」より 著者:太宰治
怨みしているのではございません。とんでも無いことであります。その点は、なにとぞ御放念下さい。私は、けさの簡単なお葉書のお言葉に依《よ》って、私の身の程を、はっき....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
嫌よく渡らせられ、恭賀たてまつり候。降って弊宅異儀なく罷りあり候間、憚りながら御放念下されたく候。陳れば、愚娘儀につき、先ごろ峠村の平兵衛参上いたさせ候ところ、....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
、十七日にわたす原稿が一つならずあるものだから。多賀ちゃんの病気いろいろでつい御放念だったものだから。 あわてている最中に、一箱つまった小説をもって来た人あり....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
たそうですが、今年は何の鑵があったのでしょう。みんなのなかで暮しているからと、御放念だったでしょうか。いずれにせよ私は、あなたから色々のお祝を戴きためてあるから....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
き七輪に鍋をかけて、にしんを煮かけつつあっちの手紙をかいて居りました。間で決して放念していたわけではなく、この北の海でとられて、身をかかれて、かためられたのを又....
坂口流の将棋観」より 著者:坂口安吾
て本当の勝負というものをやりだしたのが升田八段と私は思う。升田八段は型だの定跡を放念して、常にたゞ、相手が一手さす、その一手だけが相手で、その一手に対して自分が....
南国太平記」より 著者:直木三十五
真知の働く時は、思わざるに、勝ち、然らざる時には、量らざるに破れる。一心、生死を放念し、雑念を去る時、即ち、生を離れ、死を離れるの時じゃ。先刻、わしを、庇った時....
あゝ二十年」より 著者:上村松園
この御下命の作を完成しなくてはならぬと、それこそこの二十年間、一日たりとも疎かに放念していたことはありませんが、何分常に他の画債に逐われ通しまして、もしかそうい....
誘拐者」より 著者:山下利三郎
く 昨夜以来御心痛|奉拝察候、御令嬢は恙なく我輩の掌中に在之候えば慮外ながら、御放念相成度万一御希望なれば、金一万五千円○○山麓記念碑|裡、稚松の根方へ御埋没あ....