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「放恣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

放恣の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
さようなら」より 著者:田中英光
若さで死んだ池田をバカ野郎とも可哀想とも思ったが、彼のつきつめた誠実さに、自分の放恣《ほうし》な生き方が邪魔されるのが厭で、彼の自殺もできるだけ忘れるよう努力し....
近時政論考」より 著者:陸羯南
欲したるがごとく、国権論派は政権の分裂して人心散乱の弊を見、法制の粗濫にして官吏放恣の害を察し、泰西流の政理をもってこれを匡済することを目的としたるがごとし。お....
軽井沢」より 著者:寺田寅彦
かえでなどの代わりに赤松、黒松、榛、欅、桐などが幅をきかしている。そうして自由に放恣な太古のままの秋草の荒野の代わりに、一々土地台帳の区画に縛られた水稲、黍、甘....
連句雑俎」より 著者:寺田寅彦
の定座が勤めるいろいろの役割のうちで特に注目すべき点は、やはり前述のごとき個性の放恣《ほうし》なる狂奔を制御するために個性を超越した外界から投げかける縛繩《ばく....
映画と生理」より 著者:寺田寅彦
全くの素人考えの空想であるが、しかし現代の生化学の進歩の趨勢には、あるいはこんな放恣な空想に対する誘惑を刺激するものがないでもないように思われるのである。 こ....
科学論」より 著者:戸坂潤
組織は、科学性にとって最も大切なこの特色を欠いていたのである。そこに立場相互間の放恣な無政府状態が出現しなければならぬ理由もあったのだ。 さて、社会科学乃至歴....
女性の不平とよろこび」より 著者:岡本かの子
にしても、常に或程度の収攬を、おのずから自分の上に忘れてはいけません。 美的な放恣、つつましやかな自由、それはどうあるべきかと追求されてもこまるけれど、とにか....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
になると、どうも気がゆったりしなかった。彼女らの友誼《ゆうぎ》、その奇怪な会話、放恣《ほうし》な行動、無遠慮な態度、とくにミルハの物の見方や話し方の無遠慮さ――....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ていた。それから、つぶれた同じ声、風にさらされて皺《しわ》が寄り曇ってる同じ額、放恣《ほうし》な錯乱した定まりない同じ目つき。その上以前よりは、一種のおびえたよ....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
のまわりに夢の渦巻《うずま》きを起こさしてやるがいい。結婚は堂々としていてしかも放恣《ほうし》でなくちゃいかん。ランスの大会堂からシャントルーの堂まで練り歩かな....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
五つも多い。恐らくは最初姫君として嫁いだであろう名誉あるその家にもいにくくなり、放恣に身を持ちくずして、困りもの我儘ものとして諸家に預けられ、無籍ものの浮浪にも....
フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
のあとでパラケルススの著作を買い求めることであった。私は大喜びで、これらの著者の放恣な空想を読み、かつ研究したが、そういうものは、私以外の人のほとんど知らない宝....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
。しかし、そばによってよくよく見るとこんな追求性は、「どんらん飽くなき」と言った放恣さとしてよりも、出版資本の没落したくない消極的な焦躁として私達の目に映る。大....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
の無秩序な、無差別な、玉石も真贋も混淆したあの評価は、あの妥協は、あの美に対する放恣な反逆は。 私がもし秦の始皇帝ならば、焚くべき書、埋むべき坑はいかほどある....
日本歴史の研究に於ける科学的態度」より 著者:津田左右吉
字」で考えておいた。) 以上は、神代の物語や上代の歴史やに関する固陋な、または放恣な、主張についていったのであるが、これと同じような主張は、例えば大化改新とか....