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放歌
「放歌〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
放歌の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
して歌などうたって見たくなる事がある。しかし私が勉強している時に隣室のものなどが
放歌するのを聴くと、どうしても書物の読めぬのが私の性分である。であるからして自分....
「猿飛佐助」より 著者:織田作之助
昔……」 と、受けると、老人はますますわが意を得たらしく、おもしろおかしく放屁
放歌を続けたが、やがて昂奮の余り、いきなりおいおいと声をあげて泣きだし、 「ああ....
「煩悩秘文書」より 著者:林不忘
たつ。 どうやらお山荒れは、免《まぬか》れないらしい。 階下《した》の座敷の
放歌《ほうか》乱舞《らんぶ》は、夜ふけの静けさとともに高まって、まるで、藤屋を買....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
暖めて紅葉《こうよう》を焚く――夜は夜ながらに焚き火が風情をそえて、毎年この夜は
放歌乱舞、剣をとっては脆《もろ》くとも、酒杯にかけては、だいぶ豪の者が揃っていて....
「初恋」より 著者:矢崎嵯峨の舎
来ない,どこへどうこの気力を試そうか、どうして勇気を漏らそうかと、腕をさすッて、
放歌する、高吟する、眼中に恐ろしいものもない、出来なさそうな物もない、何か事あれ....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
下敷きになって気絶して以来、いささか取りとめなき状態となり、にわかに尊大に構え、
放歌高唱し、好んでタヌが愛蔵秘珍する物件を破壊するとか、そのうえ、あるまい事か、....
「円朝花火」より 著者:正岡容
音響《おと》を立てながら走っていた。 十一時過ぎとはいえ、新秋の宵の本郷通りは
放歌高吟の書生の群が往来繁く、ときどき赤門のほうで歓声が上がった。 「加賀さまの....
「死神」より 著者:岡崎雪声
往来で
放歌をすることは、近頃|大分厳ましくなったが、或意味からいうと許してもよさそうな....
「梅雨晴」より 著者:永井荷風
社《しょうこんしゃ》の鳥居の方へと歩いて行った。万源という料理屋の二階から酔客の
放歌が聞える。二人は何というわけとも知らず、その方へと歩み寄ったが、その時わたし....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
真面目を現す。昼間、喫煙の競走あり、夜間は余興会幹事慰労のために懇親会あり。飲酒
放歌、深更に及ぶ。昨今の気候は夏服にて不寒不熱、わが蒲暑の時のごとし。 七日、....
「煩悶」より 著者:正岡子規
おいでなさる、それをお前にとが――め――………。クヤクヤ貴様は何じゃ、往来で大声
放歌はならんちゅう位の事は心得て居るじゃろう。どうも恐れ入りましてございます。恐....
「死者の権利」より 著者:浜尾四郎
何者です。親の脛を噛っていながら学業をよそに、狭斜《きょうしゃ》の巷《ちまた》を
放歌してゆく蕩児です。 彼女が彼をひっかけたか、彼が彼女をひっかけたか、解決は....
「三国志」より 著者:吉川英治
酒宴がひらかれ、将士はもとより、馬飼の小者にいたるまで、怪しげな鳴物を叩いたり、
放歌したり、踊ったり、無礼講というので、いやもうたいへんな賑いだった。 「もう、....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
も閉めたのが、その中では何か盛んに喧騒していた。たしかに酒に酔うた五、六の人間の
放歌高吟がきこえた。 そのバラックの前に黒塗りの立派な函自動車が待たしてあった....