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放流
「放流〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
放流の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「死の快走船」より 著者:大阪圭吉
江の口までやって来た。 「此処で昨晩の加害者も、帆や舵の位置を固定して、白鮫号を
放流したのだよ。見給え。ほら、やっぱり擦り消された足跡が、ずっと続いて着いている....
「巌流島」より 著者:直木三十五
りね》、有馬流の有馬頼信、新陰流の上泉伊勢守の如き剣豪が出て居るし、富田流から一
放流の富田一放、長谷川流の長谷川宗喜、無海流の無一坊海園、鐘捲流の鐘捲自斎などの....
「不尽の高根」より 著者:小島烏水
御中道も、輻射状の谷沢も、レイニーア山や、フッド山が、氷河を山頂、または山側から
放流して、山の皮膚ともなり、山それ自体の一部ともなってしまうように、かえって創造....
「空襲下の日本」より 著者:海野十三
) │ │─高射機関銃隊 ┌積極的防空機関┤ └─阻塞及び
放流気球隊 │ │ ┌─防空監視哨 │ ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
入って来たのはお銀様でありました。 関守と、米友とは、その焚火の光をできるだけ
放流せしめて、そうして新たに来合わせた人の道しるべに供しようとする。 「お危のう....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
川狩りの人夫が、長い鳶口《とびぐち》をもって、これを縦横に捌《さば》いて、程よく
放流してやるめざましさは、さながら戦場そのままだと、見る人で驚かないものはござい....
「山吹の花」より 著者:豊島与志雄
急湍を作り、八丁滝の名がある所以だ。 菅沼にも丸沼にも、鯉や鮒の類が住み、鱒が
放流してある。鱒の養殖所は丸沼の遙か下方にあって、虹鱒と姫鱒の二種。産卵期が春と....
「山上湖」より 著者:豊島与志雄
地面に定着さしてある。魚見の櫓だ。ここは姫鱒の人工養殖所で、孵化した稚魚を湖水に
放流すれば、育った親鱒は三年後に、その回帰性によって、
放流された場所へ産卵に戻っ....
「話の種」より 著者:寺田寅彦
の下水を湖水に流し込む訳に行かぬ。それで下水|溝渠はすべてこれをミスシッピイ河に
放流してしまうようになっている。ところでその下流なるセントルイ市で窒扶斯が蔓延し....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
是の如く、観ずる時、当《まさ》に、縛字を一切の身分に遍して、その毛孔中より甘露を
放流し、十方に周遍し、以て一切衆生の身に灑《そそ》がん。乞い願くば、この老体を生....
「雪代山女魚」より 著者:佐藤垢石
山の魚は美しい。 湯の湖へは姫鱒、湯川へは川鱒と虹鱒を、帝室林野局で年々数多く
放流している。冷徹な峡間は、湯滝の下に苔生した天然林を抜け出して、戦場ヶ原を幾曲....
「香魚の讃」より 著者:佐藤垢石
三 奥多摩川の渓谷も、清麗である。今年も、江戸川や小和田湾で採れた稚鮎の
放流で川は賑わう。豪壮な友釣り姿を見るのは、大利根川である。殊に上州の赤城と、榛....
「利根の尺鮎」より 著者:佐藤垢石
漁業組合では、堰堤が竣成した年から、琵琶湖産の稚鮎を買い入れて、上流へも下流へも
放流したのである。だが、あの大きな川へ僅かばかりの鮎を
放流したところで、地球上に....
「瀞」より 著者:佐藤垢石
こで鈴木氏は別れて東京へ帰った。私と伜の二人は、京都へ向かった。賀茂川の上流の、
放流鮎を釣ってみたいと思ったからである。上賀茂にある姪夫妻の家へ足をとどめ、そこ....
「若鮎について」より 著者:北大路魯山人
、立派に成長するらしい。それかあらぬか、琵琶湖で孵化したあゆの稚魚を地方の渓流へ
放流すると、通常のあゆ通り立派に成長することが分って、近来は諸所で盛んに放魚が行....