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放浪
「放浪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
放浪の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
せた。衆議院議員の候補に立ってもみたり、純文学に指を染めてもみたり、旅僧のような
放浪生活も送ったり、妻を持ち子を成し、酒にふけり、雑誌の発行も企てた。そしてその....
「或る女」より 著者:有島武郎
た事はありません。妻も子供も里《さと》に返してしまって今は一人《ひとり》でここに
放浪しています。毎日|釣《つ》りをやってね……ああやって水の流れを見ていると、そ....
「時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
る醜悪《しゅうあく》の表情に何らかの高下があるだろうか。すこし例は違うが、小説「
放浪」に描かれたる肉霊合致の全我的活動なるものは、その論理と表象の方法が新しくな....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
りしか婦人たちには与えなかったろうと思われるからである。それでこれら民族は野獣の
放浪するに従って
放浪しなければならなかった。そうして、ただ差し当ったその日その日....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
虐待した理由というのが――紹介状をつけた画伯は、近頃でこそ一家をなしたが、若くて
放浪した時代に信州路を経歴って、その旅館には五月あまりも閉じ籠もった。滞る旅籠代....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
へと重みが加わったのだろう。堕落、荒廃、倦怠、疲労――僕は、デカダンという分野に
放浪するのを、むしろ僕の誇りとしようという気が起った。 「先駆者」を手から落した....
「三人の双生児」より 著者:海野十三
のとき父についていた身内というのは妾一人だった。しかも生れ故郷を離れて、妾たちは
放浪していたその旅先だった。 前に妾が述べたように、妹とカンカン競べをやったの....
「今昔ばなし抱合兵団」より 著者:海野十三
ことでありました。 私は洪青年と、長距離|鑿岩車にのって、十年ほど前から、地中
放浪の旅にのぼりましたが、昨日の昼頃、車を停めてしばし休憩をしていますと、ふしぎ....
「私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
火」というのを書き、またしばらくして「伊達主水」というのを書いた。これはのちに「
放浪三昧」と改題した。 伊藤はそれらを見ても別にいいとも悪いともはつきりいわな....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
もなっていないことが解るだろう。そこでは民族がすべてなのだ。生きもの、砂漠の中に
放浪生活を営む一種族の生きものとは、そもいかなるものであろうか。彼等は、利口で、....
「瘤」より 著者:犬田卯
ようなのが、村当局一般の意向でさえあるらしかった。 さて、田辺定雄が鮮満地方の
放浪生活を切り上げて村へ帰ったのは、村の事態が以上のような進行をしている最中だっ....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
の母との折合が面白くなくて間もなく江戸へ逃出し、親の縁を手頼に馬喰町の其地此地を
放浪いて働いていた。その中に同じ故郷人が小さな軽焼屋の店を出していたのを譲り受け....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
地を作っていた。時も時、学校を罷めて何をするという方角もなく、満腔の不平を抱いて
放浪していた時、卒然としてこの文学勃興の機運に際会したは全く何かの因縁であったろ....
「二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
たろう。が、二葉亭の頭は活きた舞台に立つには余りに繊細|煩瑣に過ぎていた。北京に
放浪して親友川島浪速の片腕となって亜細亜の経綸を策した時代は恐らく一生の中の得意....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
どっかほかにええ店はないか』とそっと頼んでみた。その後の私を引きずり回した生来の
放浪性がようやくこの時分から首をもたげてくるのであった。 畳屋のきわさんが世話....