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放牧
「放牧〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
放牧の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
の枝が青あおと葉を垂《た》らしたのも見えなかったわけではありません。それからまた
放牧の馬や牛も突然僕の前へ顔を出しました。けれどもそれらは見えたと思うと、たちま....
「日光小品」より 著者:芥川竜之介
めいた、黄葉した落葉松《からまつ》が所々に腕だるそうにそびえて、その間をさまよう
放牧の馬の群れはそぞろに我々の祖先の水草を追うて漂浪した昔をおもい出させる。原を....
「恐怖城」より 著者:佐左木俊郎
第一章 1 森谷牧場《もりやぼくじょう》の無蓋《むがい》二輪の箱馬車は
放牧場のコンクリートの門を出ると、高原地帯の新道路を一直線に走っていった。馬車に....
「前哨」より 著者:黒島伝治
木を集めようとして、腰をのばすと浜田は、溝を距てゝ、すこし高くなった平原の一帯に
放牧の小牛のような動物が二三十頭も群がって鼻をクンクンならしながら、三人をうかが....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
業とする杣人、切り畑焼き畑を開いて稗蕎麦等の雑穀を植える山賤、あるいは馬を山林に
放牧する人たちなぞが、あちこちの谷間に煙を立てて住む世界であったろう。追い追いと....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
見上げながら声をかけた。額の中の絵は、ボナースの水彩画で、スコットランドあたりの
放牧風景の絵であった。 「岸さんたら、お口の悪い。あたし、運動不足で困っているの....
「関牧塲創業記事」より 著者:関寛
事とせり。此れは小虫は火を嫌うを以て、小虫を避くるの為めなり。 十二日、七時より
放牧塲(ノフノヤウシ)即ち昨日見る処に至りて馬匹を観んと欲し、彌吾吉王藏同行せり....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
、自分では何もしようとしないので、昨日小太郎がパパに連れられて、国境平の奥の方に
放牧の牛を見に行ったのを機会に今日の午後までに、宿題の一つである(夏休みの一日)....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
林ではあり……」 「そうだ、どうも、それが困る」 慶正卿はこう云ったが、四辺に
放牧されている、野馬の群へ眼をつけると、 「うん、ちょうど野馬がいる。これへ乗っ....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
鳥は啼きしきり、空は澄み切って碧玉を思わせ、驚嘆に足るものがあり、そういう境地を
放牧されている馬が、あるいは五頭あるいは十頭、群をなし人を見ると懐かしがって、走....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
ジがあります」 「山ツツジには毒があるそうですが」 「ございます。むかし赤城には
放牧しておったのですが、牛馬も知っておると見えまして、ツツジはよけて食べ残しまし....
「狂馬」より 著者:佐左木俊郎
になってしまうそうである。またクロポトキンは「相互扶助論」の中で、シベリヤの野に
放牧されている馬が、嵐に襲われると、谷底の何処かへ、申し合わせたように、一カ所へ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
草つくりに手をかしたり、垣根をなおしたり、馬に水をのませに連れていったり、牝牛を
放牧場から駆りたてたり、冬の煖炉に燃す薪をきったりした。そのうえ、彼は、自分の小....
「昔のことなど」より 著者:上村松園
翹などあしらわれた処に鼬の走っている「廃園春色」、樹蔭に大きな牛が寝て居る「緑蔭
放牧」、その牛と牧童の部分を私は写さして貰いました。「髑髏舞」もいいものでした。....
「エタ源流考」より 著者:喜田貞吉
いはその辺がその佐比の一部に当るのであったかもしれぬ。そしてこれらの地が平安朝の
放牧葬送の地であった事は、「雍州府志」に小島をエタの始めということと、関係があり....