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「放縦〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

放縦の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
それ以来|素戔嗚《すさのお》は、この春のような洞穴の中に、十六人の女たちと放縦《ほうじゅう》な生活を送るようになった。 一月ばかりは、瞬く暇に過ぎた。 ....
或る女」より 著者:有島武郎
いからさめきらない事務長の身のまわりを毒々しい靄《もや》となって取り巻いていた。放縦という事務長の心《しん》の臓は、今不用心に開かれている。あの無頓着《むとんじ....
電気風呂の怪死事件」より 著者:海野十三
に浴びながら、清澄な湯槽にぐったりと身を横えたりする間の、疲れというか、あの一味放縦な陶酔境といったものは、彼にとって、ちょっと金で買えない娯しみであったのだ。....
続獄中記」より 著者:大杉栄
も積んでいた訳ではない。反対に、そういういわゆる道徳にはわざと反抗して、つまらぬ放縦を尊んでいたくらいだ。 それだのに、警察で煙草を取り上げられた時には少なか....
地獄の使者」より 著者:海野十三
象は……」 「ははは、あの人はどうかしていますね」帆村は軽く笑って「几帳面なのか放縦なのか、はっきりしませんね。そして欲がないようでもあり、またしみったれのよう....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
いささかも貴女の身は傷けない。ともにこの鎧に包まるる内は、貴女は海の女王なんだ。放縦に大胆に、不羈、専横に、心のままにして差支えない。鱗に、爪に、角に、一糸掛け....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
、ありとあらゆる讒罵の雨が、彼等の上に降り濺いだ。曰くイエスの徒弟どもは、極端に放縦無規律なるしれものである。曰く彼等は、赤児を殺し食膳に上せる鬼どもである。今....
恒藤恭氏」より 著者:芥川竜之介
んだりストオムをやったり、天馬の空を行くが如き、或は乗合自動車の町を走るが如き、放縦なる生活を喜びしものなり。故に恒藤の生活は是等の豪傑の生活に対し、規則的なる....
軽女」より 著者:上村松園
ることの出来ないのを悟って、元禄十五年の春ころから、酒に親しみ出し、祇園に遊んで放縦の日々を送るようになり、果ては最愛の、貞淑のほまれ高い内室までも離別して、豊....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
は武家ですらが蓄妾を許され、町家はなお更家庭の道徳が弛廃していたから、さらぬだに放縦な椿岳は小林城三と名乗って別に一戸を構えると小林家にもまた妻らしい女を迎えた....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
威儀三百の官人|気質の権化であったから、豪放|洒脱な官界の逸人高橋自恃庵が作った放縦自由な空気は忽ち一掃されて吏臭紛々たる官場と化してしまった。陸や浜田は早くも....
二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
あったが、元来露西亜の思想なるものは極めてオーソドックスな官僚的階級差別心と頗る放縦なユートピヤ的空想とあるのみで、近代自由思想の糧とすべきものに乏しかったから....
四十年前」より 著者:内田魯庵
守と急進とは相対立して互に相反撥し相牽掣する。が、官僚はイツでも保守的であって、放縦危激な民論を控制し調節するが常である。官僚が先へ立って突飛な急進の空気を醸成....
日本画と線」より 著者:上村松園
進の人ばかりではございません、中には私等古参の方までが、とんとこの線ということに放縦になりまして、むやみとこてこて色を塗ることばかりを能事としている方が多くなっ....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
人間本来の意志に従わず、勝手気ままな外界の自然のありさまを手本にでも見習うような放縦な生活は、どうあっても「真理」の逆行です。この心得違いは、二千五百年のむかし....