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放逸
「放逸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
放逸の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
々渠らを扶持すべき責任ある世帯持ちの身となれり。 従来の滝の白糸は、まさにその
放逸を縛し、その奇骨を挫《ひし》ぎて、世話女房のお友とならざるを得ざるべきなり。....
「青木の出京」より 著者:菊池寛
災害が近づいてきていたことを、雄吉は少しも気づかなかった。雄吉は、青木のそうした
放逸な生活も、天才的な性格にはありがちな放縦として、むしろ好意をもって彼を見守っ....
「運命」より 著者:幸田露伴
趣を考うるに、毎に正々堂々の大道に合せんことを欲し、絶えて欹側詭※の言を為さず、
放逸曠達の態無し。勉学の詩二十四章の如きは、蓋し壮時の作と雖も、其の本色なり。談....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
んと思っても、それは兎ても何の甲斐もない事じゃ、此の理を知らずして破戒|無慚邪見
放逸の者を人中の鬼畜といって、鬼の畜生という事じゃ、それ故に大梅和尚が馬祖大師に....
「一緒に歩く亡霊」より 著者:田中貢太郎
の話もその一つであるが、奥州の其処に甚六と云う百姓があった。著者はその人となりを
放逸邪見類なき者也と云っている。兎に角冷酷無情の男であったらしい。 その甚六に....
「俳諧の本質的概論」より 著者:寺田寅彦
理屈の勝手にはならないものである。この基礎的な科学的事実を無視した奇形の俳句は、
放逸であっても自由ではない。俳諧の流るるごとき自由はむしろその二千年来の惰性と運....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
まな二元が生じてきて生活は著しく窮屈になる。一本調子の自由や、他人を顧みぬゆえの
放逸は失われる。しかし真の自由はひとたびこの窮屈と二元とを経験して、後にくるもの....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
とを話し、しかも心酔の調子で話した。しかし彼はパリー人を称賛するのに、狂気じみた
放逸な騒々しい人間であると言い、遊楽や革命にばかり時間をつぶして、決して真面目《....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ア、ビザンチン、イタリーおよびフランスの文芸復興、大世紀……などの各時代を通ずる
放逸のありさまを勤勉に細叙してある小説に、多くの叙情的な称賛の辞が浴びせられてい....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
のまわりに、本能的に集まっていた。耽美《たんび》家らも、腐敗芸術の大家らも、その
放逸な作品のうちの所々に、愛国的信念を発表していた。ユダヤ人らも父祖が住んでいた....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
ある。大抵数室より成る。 ジェフリーズ この物語の時代から百年ほど前の、残忍と
放逸とをもって有名であった裁判官ジョージ・ジェフリーズ(一六四八―一六八九)をさ....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
で家中の者に大事にされていた。どうも父はよく出来た人だった。私などは父に比べると
放逸人だ。晩年祖母が死病につかれた頃など祖母は父を一番好いていた。 ただ私の家....
「オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
た時は、正確に憶えていますけども、それが六時十五分だったと思いますわ」と云って、
放逸な焔を眼一杯に輝かせた。 そして桃を包んだそのもののような、生毛が生えてい....
「「特殊部落研究号」発行の辞」より 著者:喜田貞吉
必然の結果として或いは一般社会に対する反抗の念を高め、或いは自暴自棄の結果自然と
放逸無頼に陥るものを相生じ、為に我が国家社会の生存発達の上に、少からざる障礙を来....