放題[語句情報] »
放題
「放題〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
放題の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
愛子と貞世《さだよ》との教育費にあてる名儀で某々が保管する事になった。そんな勝手
放題なまねをされるのを葉子は見向きもしないで黙っていた。もし葉子が素直《すなお》....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
前に仁王立《におうだち》になって、五カ月間積り重なった雪の解けたために膿《う》み
放題に膿んだ畑から、恵深い日の光に照らされて水蒸気の濛々《もうもう》と立上る様を....
「溺れかけた兄妹」より 著者:有島武郎
た。
「早く……早く行って助けて下さい……あすこだ、あすこだ」
私は、涙を流し
放題に流して、地《じ》だんだをふまないばかりにせき立てて、震える手をのばして妹の....
「星座」より 著者:有島武郎
たというかすかな不愉快を感じさせられた。
「もっとも西山君のことだから、言いたい
放題をいっているかもしれないが……」
清逸の心の裏をかくとでもいうような言葉が....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
が嬢たちで、更に憚る処が無いから、天下泰平、家内安全、鳳凰は舞い次第、英吉は遊び
放題。在学中も、雨桐はじめ烏金の絶倍で、しばしばかいがんの掴みだと思うと、手八の....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
いられなかった。船足のとまった船ではもう舵もきかない。船は波の動揺のまにまに勝手
放題に荒れ狂った。 第一の紆濤、第二の紆濤、第三の紆濤には天運が船を顛覆からか....
「悠々荘」より 著者:芥川竜之介
洒としているためだった。しかしまたそのほかにも荒廃を極めたあたりの景色に――伸び
放題伸びた庭芝や水の干上った古池に風情の多いためもない訣ではなかった。 「一つ中....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
。従って盆暮のつけ届け、早い話がおとむらい一つない。如法の貧地で、堂も庫裡も荒れ
放題。いずれ旧藩中ばかりの石碑だが、苔を剥かねば、紋も分らぬ。その墓地の図面と、....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
足を前に、くつろぐ状して、 「節分の夜の事だ。対手を鬼と思いたまえ。が、それも出
放題過ぎるなら、怪我……病気だと思ったらどうです。怪我や病気は誰もする。……その....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
もない炉辺から、縁を飛んで――跣足で逃げた。 逃げた庭――庭などとは贅の言分。
放題の荒地で、雑草は、やがて人だけに生茂った、上へ伸び、下を這って、芥穴を自然に....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
で、それから一時騒がしい。水を汲む、胡瓜を刻む。俎板とんとん庖丁チョキチョキ、出
放題な、生欠伸をして大歎息を発する。翌日の天気の噂をする、お題目を唱える、小児を....
「化鳥」より 著者:泉鏡花
いて放してやったことが幾度もあった。 放すが疾いか、猿は方々を駈ずり廻って勝手
放題な道楽をする。夜中に月が明い時、寺の門を叩いたこともあったそうだし、人の庖厨....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
杜子春はその翌日から、忽ち天下第一の大金持に返りました。と同時に相変らず、仕
放題な贅沢をし始めました。庭に咲いている牡丹の花、その中に眠っている白孔雀、それ....
「初雪」より 著者:秋田滋
いたが、右のほうには隙間があって、そこからは遠く農園のあたりまで伸びている、荒れ
放題に荒れた野原が見えた。間道が一条、柵のまえを通っていた。そこから三|粁離れた....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
廓を一|廻、それから例の箕の輪へ行って、どうせ苔の下じゃあろうけれど、ぶッつかり
放題、そのお嬢さんの墓と思って挨拶をして来ようと、ぶらぶら内を出て来たが。 お....