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政客
「政客〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
政客の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
界《ほうそうかい》ではかなり名の聞こえた割合に、どこといって取りとめた特色もない
政客ではあるが、その人の名はむしろ夫人のうわさのために世人の記憶にあざやかであっ....
「学者と名誉」より 著者:夏目漱石
った都下の各新聞は、久しぶりにといわんよりはむしろ初めて、純粋の科学者に対して、
政客、軍人、及び実業家に譲らぬ注意を一般社会から要求した。学問のためにも賀すべき....
「亮の追憶」より 著者:寺田寅彦
しては酒をのんで寄せがきをやっていたりした。一方ではまた当時の自由党員として地方
政客の間にも往来し、後には県農会の会頭とか、副会頭とか、そういう公務にもたずさわ....
「思い出草」より 著者:寺田寅彦
な笑いこけたものである。しかし今になって考えてみると、かなり数奇の生涯を体験した
政客であり同時に南画家であり漢詩人であった義兄春田居士がこの芭蕉の句を酔いに乗じ....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
を取り上げたものは、評論家では大森義太郎、清沢冽、馬場恒吾、其の他の諸氏であり、
政客としては、労農無産協議会の加藤勘十氏等である。加藤氏等はこれに就いて文化人の....
「海水浴」より 著者:寺田寅彦
まるきり喰いちがってしまうのである。 その頃にもよく浜で溺死者があった。当時の
政客で○○○議長もしたことのあるK氏の夫人とその同伴者が波打際に坐り込んで砂浜を....
「科学と科学の観念」より 著者:戸坂潤
代である。科学という観念が、尊ばれ流行し又親しまれている。科学という字が読書氏や
政客や為政者の身近かに、或る関係を持つものとして現われて来た。曾て「文学する」と....
「生前身後の事」より 著者:中里介山
自由党の総理として我が郷里へ鮎漁に来たのか招いたのか――したことがある、その時に
政客や有志家達が夥しく押し寄せて来た中に板垣伯がナポレオン式のヘルメットのような....
「工学博士末広恭二君」より 著者:寺田寅彦
末広君の家は旧宇和島藩の士族で、父の名は重恭、鉄腸と号し、明治初年の志士であり
政客であり同時に文筆をもって世に知られた人である。恭二君はその次男で、兄は重雄、....
「露の答」より 著者:坂口安吾
の伝記編纂に当ることになったのは、木村鉄山先生のはからいでした。先生は明治中期の
政客ですが、明治後期は企業家、大正以後は趣味家です。別段出入りをしていたわけでは....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
と還俗した老牧師との家庭教育を受け、詩人としてはロマンティック運動の主将であり、
政客としては民主派であり、主義よりもむしろ熱情の人であった彼ヴィクトル・ユーゴー....
「水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
は巴里郊外に新しい隠家を求めた。 まもなく彼はドーブレク代議士の出身地から地方
政客として名のある男を呼び寄せ、その男の手からドーブレクをある料理屋に誘き寄せ、....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
満する頭の中には我々閑人のノンキな空談を容れる余地はなかったろうが、応酬に巧みな
政客の常で誰にでも共鳴するかのように調子を合わせるから、イイ気になって知己を得た....
「雨夜続志」より 著者:田中貢太郎
道の開墾に従事したり、樺太へ往ったり、南清で植民会社を創立したり、その当時の不遇
政客の轍を踏んで南船北馬席暖まる遑なしと云う有様であったが、そのうちにばったり消....
「俗臭」より 著者:織田作之助
笛を吹くような調子で議会政治を論じ、序でに国策の機微にも触れ、いってみれば一角の
政客の風格を身辺に漂わしていた。不思議に、ついぞ名刺というものを出したことがない....