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故い
「故い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
故いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「雷峯塔物語」より 著者:田中貢太郎
だから疑いが晴れたじゃありませんか」 「それじゃ、俺が王主人の処へ帰った時に、何
故いなかったのだ」 「それは、あなたの帰りが遅いものですから、婢と二人であなたを....
「モルモット」より 著者:細井和喜蔵
場末のカフェーではお看板の時間などきまって居らず、最後の客が帰ってから仕舞う
故いつも午前の二時三時になって、帰り道が危険だから彼女は店に泊って来るのだった。....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
却って現象形式=直観形式ではなかったか、そう人々は云うかも知れない。併し人々は何
故いきなりカントのテーゼに立つことが出来、又立たねばならないのか。カントの空間論....
「松と藤芸妓の替紋」より 著者:三遊亭円朝
ものであります。ところが只今では切らんければ恥のような訳で、実に昔切り立てには何
故いやな彼んな頭をするか、厭らしい延喜のわりい、とよく笑いましたものであったが、....
「五月の空」より 著者:宮本百合子
何! 物が真個に書ける時 私は、うれしく働ける。 生きることの ありがたさ。 何
故いつも、斯様にはあらぬか わが、こころ。 * あわれ....
「「平家物語」ぬきほ(言文一致訳)」より 著者:作者不詳
ってしまった。或る時主上が御手習の御ついでにみどりの薄様の香の香のことに深いのに
故い歌ではあるけれ共このような時であったろうと思召されて、 忍ぶれど色に出にけり....
「蛇性の婬 」より 著者:田中貢太郎
だから疑いが晴れたじゃありませんか」 「それじゃ、俺が王主人の所へ帰った時に、何
故いなかったのだ」 「それは、あなたの帰りが遅いものですから、婢と二人で、あなた....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
サービス、さては早朝三割奉仕とかいう商略等を絶対に排斥するものであります。 何
故いけないか。それは客の身になって考えて見れば判ることである。昨日自分が五円で買....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
。 人間が愛して、触れ合って、やがて別れるという過程は何という悲傷であろう。何
故いつ迄も別れずに愛しつづけられないのであろうか? 時と、境と、変化との法則とい....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
猪之松には其方怨みはあろうが、ここでは手出ししてはならぬぞ」 「何故です先生、何
故いけません?」 「何故と申してそうではないか。宿は火事と放れ馬とで、あの通りに....
「地上」より 著者:島田清次郎
「僕は堕落生ではありません!」 「何だ※」 「僕が和歌子さんに手紙をやったのが何
故いけないのです。僕達は二人で慰め合い、励ましあって勉強しているのです。どんな悪....
「道」より 著者:織田作之助
れて、ついぞこれまで実行する気になれなかった。ひとつには弾みがつかないのだ。それ
故いまふとそんな気になったことに佐伯はびっくりし、またその方角へひとりでに歩きだ....
「勝太郎」より 著者:兼常清佐
い、平穏安楽な気持を与えてくれる。日本人がこの日本の声で或る種のリードを唄って何
故いけないだろうか。私はニホン音楽をあまり好まないが、もしその中から何かを撰べと....
「甲州郡内妖怪事件取り調べ報告」より 著者:井上円了
ることあたわざるはなんぞや。さりとて、故意説にもなお疑わしき点なきにあらず。その
故いかんというに、かの女子は、元来無教育の者なれば、決して予言、察心の力あるべき....
「藍瓶」より 著者:田中貢太郎
×番地にいて、一昨昨日、ここへ越して来たのですか」 「そうです」 「お父さんと何
故いっしょに来なかったのです」 「それは、いろいろ、それは商売のことで、やりくり....