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「故事〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

故事の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
捨児」より 著者:芥川竜之介
説教、毎月十六日」と云う、古い札《ふだ》が下《さが》っていますが、――時々和漢の故事を引いて、親子の恩愛を忘れぬ事が、即ち仏恩をも報ずる所以《ゆえん》だ、と懇《....
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
者もあろう。それがけしからぬいたずらとしても、楚王《そおう》が纓《えい》を絶った故事も思いあわされて、きょうの場合には主人の忠通もそれを深く咎めたくなかった。清....
赤外線男」より 著者:海野十三
た。かの松浦佐用媛が、帰りくる人の姿を海原遠くに求めて得ず、遂に巌に化したという故事から名付けたもので、その佐用媛に似た美しさと淋しさを持った若い婦人がいつも必....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
を捨て心身を放棄してこそ、日本人の道。大楠公が愚策湊川出撃に、かしこみて出陣せる故事を思えとあり、又楠子桜井駅より帰りしあの処置と情況とを想えとあり。痛し、痛し....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
ういうわけでありますから、仮りにも人形と名のつくものならば何んでもいいので、別に故事来歴などを詮議しているのではありません。要するに店仕舞いのおもちゃ屋という格....
半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
のの村へ入ったのを見たことがなかったのでございますよ。」 「馬を見て鼠……何だか故事がありそうで変ですが――はあ、そうすると、同時に、鼠が馬に見えないとも限りま....
『新訳源氏物語』初版の序」より 著者:上田敏
ある。 源氏物語の文章は、当時の宮廷語、殊に貴婦人語にすこぶる近いものだろう。故事出典その他修辞上の装飾には随分、仏書漢籍の影響も見えるが、文脈に至っては、純....
友人」より 著者:上村松園
とか、絵にあまり関係のない女の方とつき合うほうが多かった。 私の友人は、支那の故事とか、日本の古い物語や歴史のなかの人物である。 小野小町、清少納言、紫式部....
」より 著者:岡本綺堂
死ぬというのが、やっぱり何かの祟りですよ。」 金兵衛はなんでもそれを兜の祟りに故事つけようとしているのであるが、勘十郎はさすがに大小を差している人間だけに、む....
怪異暗闇祭」より 著者:江見水蔭
が痛いぞ」 「なんだって好い。打ちせえすりゃあ、講釈で聴いて知っている晋の予譲の故事とやらだ。敵討の筋が通るというもんさ」 大正の現代人には馬鹿馬鹿しく思われ....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
焔を揚げておる。馬琴の衒学癖は病膏肓に入ったもので、無知なる田夫野人の口からさえ故事来歴を講釈せしむる事が珍らしくないが、自ら群書を渉猟する事が出来なくなってか....
軽女」より 著者:上村松園
心情を描いたのは明治三十三年である。「花ざかり」「母子」の次に描いたもので、この故事に取材した「軽女惜別」はわたくしにはなつかしい作品の一つである。....
孟母断機」より 著者:上村松園
をもって、次代の子女を教育してゆかねばならぬのではなかろうか。 ――孟母断機の故事を憶うたびに、わたくしは、それをおもうのである。....
健康と仕事」より 著者:上村松園
日三晩ぶっ通しに描きつづけてしまったのである。 「唐美人」で憶い出すのは梅花粧の故事漢の武帝の女寿陽公主の髪の形である。あれにはずいぶん思案をしたものである。 ....
」より 著者:上村松園
暑につけても夫の身を案じつつ打った砧の音が遠く万里を隔てた夫の枕上に響いたという故事を話して聞かす。 この話を聞いて妻はそれでは私も砧を打ってみようという。夕....