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故園
「故園〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
故園の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「爬虫館事件」より 著者:海野十三
一人の人物があります。それはこの話のヒントを与えて以後私の調べに貢献して下すった
故園長の古い戦友、半崎甲平老人であります。この老人は同郷の出身ですが、衛生隊員と....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
して在職した当時の記録は、いろいろと役所に残っていた。ちょうど草の香でいっぱいな
故園を訪う心は、半蔵が教部省内の一隅に身を置いた時の心であった。彼はそれらの諸記....
「郷愁の詩人 与謝蕪村」より 著者:萩原朔太郎
然すぎるほど当然だった。 さてこの「春風馬堤曲」は、蕪村がその耆老《きろう》を
故園に訪《と》うの日、長柄川《ながらがわ》の堤で藪入《やぶい》りの娘と道連れにな....
「俳人蕪村」より 著者:正岡子規
野分かな 栗そなふ恵心《ゑしん》の作の弥陀仏《みだぼとけ》 書記|典主《てんず》
故園に遊ぶ冬至《とうじ》かな 沙弥《しゃみ》律師ころり/\と衾《ふすま》かな さ....
「故郷〔扉の言葉〕」より 著者:種田山頭火
得ないところに、人間性のいたましい発露がある。錦衣還郷が人情ならば、襤褸をさげて
故園の山河をさまようのもまた人情である。 近代人は故郷を失いつつある。故郷を持....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
。) 巴里偶成二首(パリ偶成二首) 孤客春風夕、来投巴里城、併看花与月、想起
故園情。 (孤独な旅人が春風の吹く夕べに、巴里市に来て身を寄せたのであった。そこ....
「三国志」より 著者:吉川英治
た。便りすら幾度か数えるほどしかしていなかった。 ――すみません。 彼はまず
故園の荒れたる門に心から詫びて、そして機の音の聞える裏のほうへ馳けこんで行った。....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
は美しい姫たちがお目あてで、雪見、紅葉などはつけたりだった。しかし、思い出の多い
故園ではあった。――だから持明院統の西園寺家ではあるが、御代となっても、かくべつ....