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「故山〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

故山の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
西湖の屍人」より 著者:海野十三
その要人の一味だ。もし漢青年が今日のように切迫した時局を知ったなら、彼は立ち処に故山に帰り、揚子江と銭塘口との下流一帯を糾合して、一千年前の呉の王国を興したこと....
自叙伝」より 著者:大杉栄
出て社会主義運動にまったく身を投じようとした頃のことだった。堺君や田川大吉郎君や故山路愛山君などが一緒になって、すなわち当時の社会民主主義者や国家社会主義者なぞ....
田舎教師」より 著者:田山花袋
通った。 東京に行った友だちからは、それでも月に五六たび音信があった。学窓から故山の秋を慕った歌なども来た。夕暮れには、赤い夕焼けの雲を望んで、弥勒の野に静か....
蒲団」より 著者:田山花袋
めは、暑中休暇に帰省、二度目は、神経衰弱で、時々|癪のような痙攣を起すので、暫し故山の静かな処に帰って休養する方が好いという医師の勧めに従ったのである。 その....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
年士官の姿が現われる。それは寄生木の原著者である。あゝ其青年士官――彼自身|最早故山の墓になって居るのだ。 皆さっさと過ぎて行く。 「御徐に!」 斯く云いた....
小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
たわらには白磁瓶にさしはさみたる一枝の山桜、雪のごとく黙して語らず。今朝別れ来し故山の春を夢むるなるべし。 風雨の声|屋をめぐりて騒がし。 武男は手紙を巻き....
秋の筑波山」より 著者:大町桂月
尊を祀る。其外、頂上に摂社|頗る多し。男体の一角に測候所あり。これ明治三十五年に故山階宮菊磨王殿下の設立し給へる所、筑波山新たに光彩を添へぬ。然るに、殿下今や亡....
露の答」より 著者:坂口安吾
々肺肝に銘じていますが、この訪問記は割愛致します。 かくて最後に加茂五郎兵衛の故山の家に赴いて、ここで資料を整理し、気が向いたらそこで執筆もよろしかろう、こう....
わが文学修業」より 著者:織田作之助
の現代語訳を試み、昨年は病中ながら「西鶴新論」という本を書いた。西鶴の読み方は、故山口剛氏の著書より多くを得た。都新聞の書評で私のこの書を酷評した人があるが、私....
山越しの阿弥陀像の画因」より 著者:折口信夫
…」と題して七言律一首が続けられている。其中に「……光芒忽自夜雲迎」の句がある。故山と言うのは、浄土を斥しているものと思えるが、尚意の重複するものが示されて、慧....
わが童心」より 著者:佐藤垢石
転居致し候てより、はや一年の歳月を過ごし申候。永き年月、都会に住み馴れたる者が、故山の杜邑に移りきては、水当たりもありやせん、人の心の激しさに触れもせん、とはじ....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
メーキングの名著である。 丁度同時代であった。徳富蘇峰は『将来之日本』を挈げて故山から上って帝都の論壇に突入し、続いて『国民之友』を創刊して文名隆々天下を圧す....
日和下駄」より 著者:永井荷風
説をつづりては常にわれらを後《しりえ》に瞠若《どうじゃく》たらしめた才人である。故山《こざん》に還《かえ》る時一句を残して曰く 行春《ゆくはる》の富士も拝まん....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
儘で帰るのですから実に自分の故郷の人に対して恥かしいのみならず、誓いを立てて出た故山に対しいかにして顔を合わせることが出来ようかと、ホンコンを離れて日本間近にな....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
めばその終わるあたり、白い雲のわだかまるところが台湾なのであった。) 舟向、正是故山飛雪時。 (船は太陽の真下に向かってゆくがごとく、安南の海上は煮えるような暑....