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故意
「故意〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
故意の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「沼地」より 著者:芥川竜之介
。この画家には草木の色が実際そう見えたのであろうか。それとも別に好む所があって、
故意《ことさら》こんな誇張《こちょう》を加えたのであろうか。――私はこの画の前に....
「路上」より 著者:芥川竜之介
らず、何故今までこんな事を黙っていたのだろうと考えた。が、それは彼自身にも偶然か
故意か、判断がつけられなかった。
二十
プラットフォオムの....
「るしへる」より 著者:芥川竜之介
から、こう云う破邪顕正《はじゃけんしょう》を標榜《ひょうぼう》する書物の性質上、
故意の脱漏《だつろう》を利としたからでもあろうか。
予は以下にこの異本第三段を....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
暮した。が、若者はいつになっても、容易に消息を齋《もたら》さなかった。のみならず
故意か偶然か、ほとんどその後素戔嗚とは顔も合さないぐらいであった。彼は若者の計画....
「或る女」より 著者:有島武郎
木村を見た。しかし木村の感情はひどくほつれて、容易に解ける様子はなかった。葉子を
故意に威圧しようとたくらむわざとな改まりかたも見えた。葉子はいたずら者らしく腹の....
「或る女」より 著者:有島武郎
子に一種の不安を与えた。古藤の凝視にはずうずうしいという所は少しもなかった。また
故意にそうするらしい様子も見えなかった。少し鈍と思われるほど世事《せじ》にうとく....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
全く道徳問題だけを取扱って宇宙成立の問題というような非実用的な事柄に係わることは
故意に避けたのである。紀元前六〇四年に生れて孔子と同時代であり道教の始祖となった....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
界通信には玉石混淆の感がある。かの事実と符合せざる虚偽の通信といえども、必ずしも
故意に然るにあらずして、しばしば力量の不足に基因する。時が経つにつれて、幽明交通....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
燈」も「燭」も皆いけなくなった。そういう言葉をちょっとでも洩そうものなら、それが
故意であろうと無かろうと、阿Qはたちまち頭じゅうの禿を真赤にして怒り出し、相手を....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
師が一人柳の木の下に眠っていた。正午だった。鋤が一丁、傍の馬鈴薯畑の中に、まるで
故意に置いてあるような按配に突立っていた。 私はそれを抜きとって戻って来た。そ....
「甲州郡内妖怪事件取り調べ報告」より 著者:井上円了
しかるに、ある二、三の人は、これをもって狐狸等の憑付にあらずとなし、全く女子自ら
故意にこの怪事をなすものと信ぜり。しからばすなわち、この怪事に関して該地方の人が....
「妖怪学」より 著者:井上円了
ざるものに至りては、これ決して天然に起こるものにあらず、その中に加わりたるもの、
故意をもってこれを動かすによるという。あるいはまた、真に動くにあらざるも、動くよ....
「迷信解」より 著者:井上円了
けである。 さて、これより狐惑、狐憑きの話をする前に、世間の狐狸談中には、人の
故意あるいは悪戯より起こりたる偽怪の例すくなからざれば、その一、二を記さんに、「....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
ざるものに至りては、これ決して天然に起こるものにあらず、その中に加わりたるもの、
故意をもってこれを動かすか、しからざれば、その実、動かざるも動くように見ゆるなり....
「活人形」より 著者:泉鏡花
いえ、ただ通懸った者でがんすがその方が強くお塩梅の悪い様子、お案じ申して、へい、
故意。という声耳に入りたりけん。その男を見て、病人は何か言いたげに唇を震わせしが....