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故旧
「故旧〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
故旧の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
で、真率《しんそつ》な性格は、お預けになって以来、夙《つと》に彼と彼等との間を、
故旧《こきゅう》のような温情でつないでいたからである。
「早水氏《はやみうじ》が....
「博士問題とマードック先生と余」より 著者:夏目漱石
の栄選を祝した。余が博士を辞退した手紙が同じく新聞紙上で発表されたときもまた余は
故旧新知《こきゅうしんち》もしくは未知の或《ある》ものからわざわざ賛成同情の意義....
「家」より 著者:島崎藤村
泉の家が今日のように貧乏に成ったろうとか、何故娘達がそれを思わないだろうとか、何
故旧い足袋を穿いていても流行を競うような量見に成るだろうとか、種々なヤカマしいこ....
「李陵」より 著者:中島敦
が降り万民は太平の仁政《じんせい》を楽しんでいる。新帝はいまだ幼少のこととて君が
故旧たる霍子孟《かくしもう》・上官少叔《じょうかんしょうしゅく》が主上を輔《たす....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
梅津只圓翁の生涯 故|梅津只圓翁の名前を記憶している人が現在、全国に何人居るであろうか。翁の名はその姻戚
故旧の死亡と共に遠からずこの地上から平々凡々と消え失せて行きはしまいか。 只圓....
「入社の辞」より 著者:夏目漱石
量な空気が這入《はい》って来た。 学校をやめてから、京都へ遊びに行った。其地で
故旧と会して、野に山に寺に社に、いずれも教場よりは愉快であった。鶯《うぐいす》は....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
しかに取返しのつかないことがあるに相違ない。さればこそ駒井甚三郎は、いかなる親近
故旧といえども、この室へは入場を謝絶してあるはず。 幸いなことに、この室には錠....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
に先方から三助をやることを命ぜられ、当方が甘んじてそれをやるとしたならば、友人か
故旧かでない限り、それは甘んじて奴隷の役廻りを勤めさせられるようなものではないか....
「年賀状」より 著者:寺田寅彦
分の過去の歴史がまるで絵巻物のように眼前に展べられる。もっとも懐かしいのは郷里の
故旧の名前が呼びだす幼き日の追憶である。そういう懐かしい名前が年々に一つ減り二つ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
今、覚王院や竜王院で、お取計らいを食って出て来たその余勢ですから、神尾もここで、
故旧になぐさめられるような温かな味、近来受けたことのないものを受けました。 「い....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
私もそれに答えかたがた厚く謝辞を述べて、この碑は私の如きものの記念というよりは、
故旧に対して厚い同郷諸君の徳誼の表彰碑だといって置いた。それから直に県公会堂で大....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
したのは三宅島でございます。いよ/\船が万年橋から出るという前夜になって、親戚|
故旧の人に知らせますので、当日は親類縁者は申すに及ばず、友人達は何れも河岸に集っ....
「工学博士末広恭二君」より 著者:寺田寅彦
治三十三年卒業した。高等学校時代厳父の死に会い、当時家計豊かでなかったため亡父の
故旧の配慮によって岩崎男爵家の私塾に寄食し、大学卒業当時まで引きつづき同家子弟の....
「映画雑感(Ⅵ)」より 著者:寺田寅彦
らげら笑い囃し立てる、その観客の一人一人のクローズアップの中からも吾々はいくらも
故旧の誰彼の似顔を拾い出すことが出来るのである。 ラスムッセンの「第五回トゥー....
「融和促進」より 著者:喜田貞吉
かと、常に戦々兢々として、寝ても、覚めても、少しも心の安まる暇はありません。親戚
故旧と書信の取り遣りをするにしても、懇意な友人を訪問するにしても、常に犯罪者が警....