故智[語句情報] » 故智

「故智〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

故智の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「服装に就いて」より 著者:太宰治
のである。この時にあたり、私は窮余の一策として、かの安宅《あたか》の関《せき》の故智《こち》を思い浮べたのである。弁慶、情けの折檻《せっかん》である。私は意を決....
「未帰還の友に」より 著者:太宰治
四十七士中の第一の美男たる岡野金右衛門が、色仕掛の苦肉の策を用いて成功したという故智《こち》にならい、美男と自称する君にその岡野の役を押しつけ、かの菊屋一家を迷....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
らに急追を休めず、凄気を双眼に泛べて云い放った。「しかし、貴方がオドワカル殺しの故智を学ばれたのは、さすがだったと思います、御承知でしょうが、テオドリッヒの用い....
「賤ヶ岳合戦」より 著者:菊池寛
われた形である。盛政、徳山五兵衛尉を呼んで、長篠合戦の時、鳶巣山の附城を焼立てた故智に習うべしと命じた。徳山即ち神部兵大夫に一千騎を添えて、敵の背後の方へ向わせ....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
がら、実は同じ物から、二重三重取りになるから、色々と抗議が出る。そこで余は隋帝の故智《こち》に倣い、秀吉とか家康とか種々雑多の人物が国家のために殺生した業報《ご....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
極意《ごくい》を伝えられていることは知る人もあろう。島田虎之助の門下で、大石進の故智を学んで、刀を以て下《さ》げ針《ばり》を突くの精妙を極めていることも知る人は....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
へ行った。 ああ、また一ぱい食った！ 太閤秀吉が、蜂須賀塾にいた時分とやらの故智を学んで、着物だけを投げ込んで、人目をくらましておいて、中身は逃げたのだ。 ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
とは、米友として前例のない手厳しさであるが、米友としては、安宅《あたか》の弁慶の故智を学んだわけでもあるまいが、非常時をよそにする緩慢なる相手には、こうもせざる....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
千八百石の旗本に過ぎないことと、三成は野心満々の投機者であって、あわよくば太閤の故智を襲わんとしているのに、小栗は、輪廓において、忠実なる徳川家の譜代《ふだい》....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
らぬ。夜の王様の寿命もせゐぜゐ半年にすぎないことが分りきつてゐる。アル・カポネの故智を習ふのはこゝのところで、 「ぢやア、どうだらう。この店の名義を君にゆづるか....
「ダス・ゲマイネ」より 著者:太宰治
べきこと。一芸に於いて秀抜の技倆を有すること。The Yellow Book の故智にならい、ビアズレイに匹敵する天才画家を見つけ、これにどんどん挿画をかかせる....
「握った手」より 著者:坂口安吾
★ 翌日、彼はわざと三十分ほど時刻におくれて校外の庭園におもむいた。宮本武蔵の故智にならったのである。そして、これが自分の真剣勝負だと考えた。水木由子と自分の....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
の御代の頃、大変流行いたしまして、いまだに江戸じゃア流行っているそうな、献上箱の故智に慣い、八五郎細工の献上箱、持参いたしてござります。なにとぞご受納下さりませ....
「おせん」より 著者:邦枝完二
ァ泥棒猫のように、垣根の外でうろうろしちゃァいねえからの。――それ見な。鬼童丸の故智にならって、牛の生皮じゃねえが、この犬の皮を被っての、秋草城での籠城だ。おか....
「撥陵遠征隊」より 著者:服部之総
》強盗的遠征もまた失敗に帰した。米国の戦略は一八五八年の太沽《たいこ》砲台攻撃の故智にならったのだといわれているが、大院君は清帝とちがって、首都間近の砲台を破ら....