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故紙
「故紙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
故紙の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
りを眺めた。
「こう云う事実に比べたら、君の史料の如きは何ですか。すべてが一片の
故紙《こし》に過ぎなくなってしまうでしょう。西郷隆盛は城山で死ななかった。その証....
「道草」より 著者:夏目漱石
ゃ関係のないものだ。さっき見て僕もちょいと驚ろいたが、こら」 彼はごたごたした
故紙の中から、何の雑作もなく一枚の書付を取り出した。それは喜代子《きよこ》という....
「野分」より 著者:夏目漱石
代に塗抹《とまつ》するは学人の恥辱である。彼らが貴重なる十年二十年を挙《あ》げて
故紙堆裏《こしたいり》に兀々《こつこつ》たるは、衣食のためではない、名聞《みょう....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
か御免なすって」 梅「いや/\手前は貧の盗みと云わせん事がある、貧の盗みなれば何
故紙入れの中の金入れか銭入れを持って行かぬ、何で其の方は書付ばかり盗んだ」 曲「....
「微笑」より 著者:夢野久作
て来た。胴を掴み破ると、ボール紙の肋骨が飛び出した。その下から又、薄板の隔膜と反
故紙の腸があらわれた。手足をポキポキとヘシ折ったら、中味は灰色の土の肉ばかりで、....
「空襲警報」より 著者:海野十三
…アノ奥さま。いま変な男が、井戸のところをウロウロしているのでございますよ。……
故紙業のような男で……」 「アラそう?」 「いえ奥さま。それが変なんでございます....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
極簡単なもので、女の髪の毛一筋あれば事足りるのである。その髪の毛の両端に小石を反
故紙にくるんで結びつける。仕掛けはそれだけで済む。それを手早く拵えて、持っていっ....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
はは。」とさも快げに見えた。 夕空 十一 時に五助は反
故紙を扱いて研ぎ澄した剃刀に拭をかけたが、持直して掌へ。 折から夕暮の天暗く、....