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故買
「故買〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
故買の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「一円本流行の害毒と其裏面談」より 著者:宮武外骨
者もないではないが、概して円本の著訳者は不正不義不道不徳の小人バラ、出版屋を臓物
故買犯者、著訳者を背信、偽作、剽窃の常習犯者と見れば大差なしである 図書尊重の念....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
|丸部朝夫《まるべあさお》である。「アノ様な恐ろしい、アノ様な荒れ果てた屋敷を何
故買うか」など人に怪しまれるが夏蝿《うるさ》いとて、誰にも話さず直ぐに余を呼び附....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
し、この男が何者かということは、ほぼ彼に想像がついていたのだ。泥坊か、密輸入者か
故買者か。どうせ、素姓のしれぬダイヤなどを持つようではそんな類いだろうが、とにか....
「模倣と独立」より 著者:夏目漱石
と思いました。が、止《よ》しました。けれども、まあ買っても宜いとは思いました。何
故買っても宜いといいますと、相当に出来ているからです。内へ持って来て掛けるのは何....
「白痴」より 著者:坂口安吾
日ぐらいであったからで、この日がその日になろうとは伊沢は予想していなかった。それ
故買出しにも出掛けたので、買出しと云っても目的は他にもあり、この農家は伊沢の学生....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
六日町から十六里、船に乗って長岡か新潟あたりへ持って往きましてな、それから着物は
故買屋へ売り、女は女郎町へ売るそうだが、早くお殿様から手を廻して捕まえて下されば....
「つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
頼みとあらば灯の中水の中へも飛び込もうというすごいのがそろっているが、毎夜本堂に
故買《ずや》の市が立って、神田の閑山なんかが出張って来てうるさくて寝泊まりはでき....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
岡にて買ひし本の内に『伝習録』といふものあり。有触れたる者なれど、まだ蔵書に無き
故買ひおき候。これは王陽明の弟子が師の詞を書き取りしものなるが、なか/\おもしろ....
「拷問の話」より 著者:岡本綺堂
て行ったのである。そうした掛合のあいだに彼らは鼈甲の櫛四枚をぬすんで出て、それを
故買犯の芳吉というものに一枚一両ずつで売って、三人が四両の金を酒や女につかい果し....
「雲霧閻魔帳」より 著者:吉川英治
声で、すっと、中から開いた。表は質屋、裏の客は、緑林から運んでくるのを受けている
故買い。出て来たのが主人で、でっぷりと肥えた五十男である。佐渡屋幸吉を略して、佐....
「不思議な魚」より 著者:室生犀星
うと鳴っているばかりであった。 李一はその晩、父親からひどく叱られて、麻糸を何
故買わなかったかと小言を食ったのでした。 秋の終りころに鰯の漁が初まり、李一も....
「雨」より 著者:織田作之助
で買いとっていた。刺青のたあやんが窃盗罪で警察の手に捕えられ、その事件に関聯した
故買の嫌疑であった。盗んだ品と知って買ったか知らずに買ったかと調べられた訳だが、....
「俗臭」より 著者:織田作之助
気持だった。商談が大切だと、辛抱して調子を合わせていたものの。 その後、古川が
故買の嫌疑で拘引されたときいて、その時の溜飲が下がった。が、旬日を出でずして、自....
「オスカー・ブロズキー事件」より 著者:妹尾アキ夫
かするとダイアの密売者とうたがわれたり、また二三の不謹慎な業者は、彼のことを盗品
故買者だと蔭でささやいたりする。でもサイラスはにこにこ笑いながら自分の道をすすん....