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「故郷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

故郷の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
河童」より 著者:芥川竜之介
きたい」のではありません。「帰りたい」と思い出したのです。河童の国は当時の僕には故郷のように感ぜられましたから。 僕はそっと家《うち》を脱け出し、中央線の汽車....
或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
めた時、二人の心には云い合せたように、悲壮な感激が催された。考えて見れば一行は、故郷の熊本を後にしてから、ちょうどこれで旅の空に四度目の夏を迎えるのであった。 ....
桃太郎」より 著者:芥川竜之介
犬猿雉の三匹と、人質に取った鬼の子供に宝物の車を引かせながら、得々《とくとく》と故郷へ凱旋《がいせん》した。――これだけはもう日本中《にほんじゅう》の子供のとう....
大川の水」より 著者:芥川竜之介
どあわただしく、動いている自分の心をも、ちょうど、長旅に出た巡礼が、ようやくまた故郷の土を踏んだ時のような、さびしい、自由な、なつかしさに、とかしてくれる。大川....
将軍」より 著者:芥川竜之介
いたけはいも見せず、それぎり別々の方角へ、何度も叩頭《こうとう》を続け出した。「故郷へ別れを告げているのだ。」――田口一等卒は身構えながら、こうその叩頭を解釈し....
或る女」より 著者:有島武郎
日本から木村に持って行くように託された品々をトランクから取り分けた。その中からは故郷を思い出させるようないろいろな物が出て来た。香《にお》いまでが日本というもの....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
活字を刷った書類を出して、それに広岡|仁右衛門《にんえもん》という彼れの名と生れ故郷とを記入して、よく読んでから判を押せといって二通つき出した。仁右衛門(これか....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
ノデス。 昨日スケッチ帳ヲ三冊送リマシタ。イツカあなたニ絵ヲ見テモライマシテカラ故郷デ貧乏漁夫デアル私ハ、毎日忙シイ仕事ト激シイ労働ニ追ワレテイルノデ、ツイコト....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
から芽生えはじめた。その動乱の中を私はそろそろと自分の方へと帰って行った。目指す故郷はいつの間にか遙に距ってしまい、そして私は屡※|蹉いたけれども、それでも動乱....
母を尋ねて三千里」より 著者:アミーチスエドモンド・デ
は月に八十リラずつもうけましたが自分は少しも使わないで、三月ごとにたまったお金を故郷へ送りました。 父親も心の正しい人でしたから一生懸命に働いてよい評判をうけ....
良夜」より 著者:饗庭篁村
寄合書にしたる白金布の蝙蝠傘あるいは杖にしあるいは日を除け、道々も道中の気遣いを故郷の恋しさと未来の大望とか悲しみ悦び憂いをかわるがわる胸中に往来したれば、山川....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
かけがえのないコットン・マザーの著書からいろいろと抜萃し、またそれに加えて、生れ故郷のコネティカット州でおこった事件をたくさん話したり、彼が夜ごとにスリーピー・....
親ごころ」より 著者:秋田滋
を知る者もなかった。当の息子のジャンにしたところが、今ではもう自分の名前も、生れ故郷の村の名も忘れてしまっているに違いない。我が子にめぐり会えるという望みもはや....
私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
一、生まれ故郷は三宅島 わが生まれ故郷三宅島は大島、八丈島などとともに近世の流罪人の島と....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
や両国駅に変っていた。けれども震災後の今日を思えば、――「卻って并州を望めばこれ故郷」と支那人の歌ったものも偶然ではない。 総武鉄道の工事のはじまったのはまだ....