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「敏し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

敏しの前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
クリした葡萄の果みたいな双の瞳である。そこからは智的な熱情が、まるで羚羊のような敏しこさで迸出してくるのだけれども、それにはまた、彼女の精神世界の中にうずくまっ....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
開闢以来まだ光線の我儕に届かぬ星の存在を否むは僻事である。所謂「神の愚は人よりも敏し」と云う語あるを忘れてはならぬ。 六 農と女は共通性を有....
自転車嬢の危難」より 著者:ドイルアーサー・コナン
止まって、二百|碼ばかりの間隔を保った。その次の彼の女の行動は、全く思いも設けぬ敏しっこさであった。彼の女はクルリっと自転車をまわすと、一目散にその男の方に突進....
その人を知らず」より 著者:三好十郎
―(ゲタを突っかける) (そこへ、崖の方から、不意に現われたと思うと、恐ろしい敏しょうさで、この家に近づいて来る復員服にジャンパーを着た貴島宗太郎――7に於け....
私本太平記」より 著者:吉川英治
窺っているものかもしれない。――もし将来の天下におなじ野心を抱く者なら、類は類に敏しで、こっちの腹も当然観破しうるはずである。この自分を目すに、いつか、中原の鹿....