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敏腕
「敏腕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
敏腕の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
彼の細君の従弟《いとこ》だそうで、当時××紡績会社でも歳の割には重用されている、
敏腕の社員だと云う事です。成程そう云えば一つ卓子《テエブル》の紅茶を囲んで、多曖....
「或る女」より 著者:有島武郎
本における未来のピーボデー」という標題に木村の肖像まで入れて、ハミルトン氏配下の
敏腕家の一人《ひとり》として、また品性の高潔な公共心の厚い好個の青年実業家として....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
だッ。覚えて居れ。……」 動坂三郎は凄い捨台辞を残して、姿を廊下の方に消した。
敏腕もて鳴る黒河内総監と市会の巨頭動坂三郎とは、遂に真正面から衝突せんとして辛う....
「とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
道としては新人の方なんですが、頭もいいし人格もあるし、それになかなか機智に富んだ
敏腕家でして、いまではもう出世して本省の監督局におさまっていられますが、この人が....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
どれて、剰すところが幾何もないことになる。くどいようだが、われ等の求むる人物は、
敏腕で、熱心で、真理慾が強くて、寡慾で、そして温和しい魂の所有者であらねばならぬ....
「遺恨」より 著者:坂口安吾
。そうですよ。奥さんは偉いな。僕は奥さん、気に入ったな。奥さんは、女社長だなア。
敏腕家ですねえ」 そして、ちかごろの学生は、うれしがると、だらしなく相好くずし....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
ふへて今では昔日の隆盛をとりもどしたから、コックにバーテンに接客サービス、天来の
敏腕家も手が廻りかねる。けれども夫婦共稼ぎとか、愛人をサービスにだすとか、お客は....
「青鬼の褌を洗う女」より 著者:坂口安吾
コートをすて、羽織も同じく、結局二人ながら袷一枚、無一物であったが、オソヨさんの
敏腕で布団と毛布をかりてくるまり、これもオソヨさんの活躍で乾パンを三人前、といっ....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
うよりも奇怪であった。その一例を上げて見れば、ある白昼のことであったが、警務庁の
敏腕の班長が、二人の部下を従えて、繁華な灘子街を歩いていた。街路の両側の小屋から....
「九段」より 著者:坂口安吾
か天啓があって、これだ、と思ったのかも知れんが、一番姉さん、つまりこの旅館で最も
敏腕を揮う中心人物を「オカミサン」というのである。二番目の元三田の小町娘は姉さん....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
」と、さもさも知らないのかというような顔をしました。大乗寺の住職というのはよほど
敏腕家らしく、宮内省へも出入して、女官なども折々見えるとのことでした。ちょうど吉....
「真珠塔の秘密」より 著者:甲賀三郎
よ。君」私が桜木町の彼の家に帰りついて、香の高い紅茶をすすりながら相変らずの彼の
敏腕を賞めると、彼はこう云った。 「つまり二から一引く一さ。現場を見て第一に感じ....
「青い風呂敷包」より 著者:大倉燁子
を着た一人の学生は、交番へ宙を飛んだ。 急報に接して、警視庁からは係長が若手の
敏腕家杉村刑事を伴れて馳せ付け、そこにいた山本桂一に事の顛末を聞いてから、杉村を....
「梟の眼」より 著者:大倉燁子
「山梨刑事ッて、どんな方?」 とお世辞に訊いてみた。 「まだ若いが、なかなかの
敏腕家だよ。庁内きっての美男子で、女のような優しい顔をしている、スリ仲間じゃ、鬼....
「美人鷹匠」より 著者:大倉燁子
ろぼしに殺人罪を引受け、死刑にして頂き度かったのでございます」 法曹界きっての
敏腕家松波博士が令息殺しの犯人美人鷹匠のために、義侠的弁護を買って出たという記事....