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「敏速〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

敏速の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:ゴーゴリニコライ
これが警察に関係のある事件だからというよりも、警察の手配が他のどこよりもはるかに敏速に行なわれるからであって、鼻が勤めていると言った役所の手を経て満足な結果を期....
猟奇の街」より 著者:佐左木俊郎
楼のように浮かんでいる高層建築を指した。その指先は白い一本の絹のように小刻みに、敏速に、神経的でしかも恐怖的な顫《ふる》えを顫えつづけていた。 「そらね。あの泣....
鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
細工の小函を値打のあるものと思い、鍵もろとも奪って逃げたのだった。 あまりにも敏速な犯罪のために、亡父殺しの犯人は分らなかったばかりか、或る国際事情のため、領....
海底大陸」より 著者:海野十三
装巡洋艦だ。 甲板上のあちこちで大きな号令の声がする。すべったのかと思うように敏速に走っていく水夫たち。カバーがとられて、二門の砲が現われた。そして砲口は一転....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
神秘的な事件の、根源をなすものが潜んでいないとも限らないのである。法水は背文字を敏速く追うていって、しばらくの間、紙と革のいきれるような匂いの中で陶酔していた。....
わが町」より 著者:織田作之助
はまごつき、運転手も余り歓迎せぬ制度ゆえ、案内嬢は余程の苦労が要る。親切・丁寧・敏速でなくてはいけぬと、監督は口癖だった。 しかし、君枝は、そんなにまで勤めな....
神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
そうである。しかし七人が心身を一にし、一致の行動をとるのであるから、自由の活動、敏速の歩行、これは出来るに相違ない。 何んと云う速さだ! 走って来る! と、....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
る。 ジョヴァンニは、深い心を持たずして――今それを測ってみたのではないが――敏速な想像力と、南部地方の熱烈な気性とを持っていた。この性質はいつでも熱病のごと....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
が当然結婚すべく定められているかのような言い方をした。それが記代子に現れる反応は敏速であったし、確信的であった。せつ子の認定を得ていることは、内々叫びをあげなけ....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
かもこの百分の十八は、自転車や電車によった場合の計算であって、近頃のように配達の敏速を希望して自動車を用いることになると、さらに費用は倍加し、売上金高の三割以上....
水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
れを忘れて恍惚とした。 やがてジルベールとボーシュレーとはルパンの指揮に従って敏速な活動を開始した。物の三十分とも経たない内に一隻のボートに一杯になった。グロ....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
く。なおチベット人の眼を驚かすに足るものは、鉄道、電信、電話その他諸種の器械類の敏速なる働きを見て大いに仰天して、これはとても神の知識でなくては出来得ない事であ....
西航日録」より 著者:井上円了
り。日本人はこれに反し、大清国なるとともに大急激国なり。その性質急激にして諸事に敏速なる利あるも、また度量の狭隘に過ぐるの失あり。もし、日本人の気質七匁にシナ人....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
鎖――これだけが第一日の仕事として実行せられた。 新聞記者も、婦人団体の活動の敏速なのに、実際驚いてしまった。 市吏員のストライキと婦人団体の執務が評判にな....
オスカー・ブロズキー事件」より 著者:妹尾アキ夫
安心感にかわった。 時々時計に目をやりながら、彼はなにか仕事でもする時のような敏速さで後始末をはじめた。テーブルクロスのうえに数滴の血がしたたり、死人の頭のそ....