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救いの神
「救いの神〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
救いの神の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「義民甚兵衛」より 著者:菊池寛
おきん (震えながら)へえい、へえい。同心でございますとも。わしたち小百姓には、
救いの神様でござります。ありがとうございます。おありがとうございます。加担人を出....
「あやつり裁判」より 著者:大阪圭吉
たんです。 ところが……ところがこの、身寄りもない貧弱な書生ッぽの被告に、突然
救いの神が、それも素晴らしい別嬪の
救いの神が出て来たんですよ…… あれは、第二....
「新版 放浪記」より 著者:林芙美子
。私は立ちあがって、扉を開けた。見知らぬ若い男のひとが立っている。私はそのひとを
救いの神のように思い、どうぞおはいり下さいと云って、そっと下駄をつかんで廊下へ出....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
は乗客の安全をはからねばならぬ。すると、彼らに取って、人家のあるこの小さな港は、
救いの神でもあった。陸地によった港近くの坐礁は、まず、不幸中の幸いと言わねばなる....
「空襲警報」より 著者:海野十三
棋の駒を返してよこした。車内はすっかり落ちつきを取りかえしていた。呑気な将棋が、
救いの神だったのだ。 野尻湖近くの田口駅をすぎた頃、客車のしきりの扉が開いて、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
まいの身分になれるなんて言ってます。わたしも、話を聞いてみると、全くわたしたちの
救いの神様のお船じゃないかとしか思われません。渡しに船と言います通り、わたしたち....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
いかにもあの頃のイギリス気質ですね。ディケンズはいつも慈悲ぶかい紳士貴族を出して
救いの神としたし、サッカレはもう一歩進取的で印度の役人にしてちゃんと
救いの神の役....
「少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
。 「たこの製作はバクスター君に一任しよう」 「賛成!」 「よう工学博士!」 「
救いの神さま!」 いろいろな声がとんだ。 翌朝から一同は製作主任のバクスター....
「アーニイ・パイルの前に立ちて」より 著者:小林一三
して輝いているのを見上げながら、ここが連合軍の司令部であり、わが国に平和を与えた
救いの神マッカーサー元帥の事務所であることに敬意を表する。 第一生命のこの建物....
「泡盛物語」より 著者:佐藤垢石
承知なら、やれるかやれねえか、あしたから來てみるがいい」 私は、掃除屋の親爺を
救いの神だと思った。しかし私は、家内には仕事が見つかった事だけ話し、その仕事が何....
「春宵因縁談」より 著者:佐藤垢石
た演説をしたのである。 これを聞いて、来会者は悉く感激した。頽れゆく旧主家に、
救いの神が現われたような気持ちがしたのであった。 それから、翌春になって暮れに....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
女……。」と、小坂部は息も絶えだえになるほどに叫びつづけた。 この場合、かれは
救いの神ほとけはいうもおろか、悪魔の手にでも縋り付いて男の危急を救いたかった。異....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
ビ口やコン棒を振上げ襲いかかってきた。あわや血の雨の降る大乱闘になろうという時、
救いの神ともいうべき警官が現われ平野警察署長青木重臣君(のちの平沼内閣書記官長、....
「悪魔の弟子」より 著者:浜尾四郎
たが全然知ることの出来ない女性の美しさ、尊さを知っている私には、すえ子はたしかに
救いの神だったに違いありません。 然るに、この恋は実に不幸な終りを告げたのでし....
「鬼」より 著者:吉川英治
あっただけだよ」 「もう、鬼なんて、一人だって云ってる人はありません。百十ヵ村の
救いの神様だと云ったりして、明日は、この山へ笛や太鼓を担いで来て、お父様をみんな....