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救命
「救命〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
救命の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
から大学と幾つかの学校を通り抜けることは僅《わず》かに貧困を脱出するたった一つの
救命袋だった。尤も信輔は中学時代にはこう言う事実を認めなかった。少くともはっきり....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
アメリカ人であった。ともかくも彼は強い力で、その目的を果たした。電信機、機関車、
救命船、掛け時計、農作機械、度量衡、地図、海図、その他当時の日本には珍奇な贈り物....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
見る見る左へ傾いた。機関部もやられてしまって、船内の電灯は一時消えた。甲板には、
救命艇の位置へいそぐ船客たちが、互いにぶつかり転り踏みつけあい、くらがりの中に、....
「太平洋魔城」より 著者:海野十三
内の高声器から、とつぜん、警報がなりひびいた。 「皆さん、すぐさま座席の下にある
救命具をつけてください。本艇は、あと二、三分のうちに、不時着します。その時は、す....
「幽霊船の秘密」より 著者:海野十三
には波にのまれて沈んでしまった。 海上は、まっ暗で、なにがなんだかわからない。
救命ボートが四隻、しずかにうかんでいる。 ごぼごぼどーんと、うしろではげしい音....
「東京要塞」より 著者:海野十三
「おーい、しっかりしろ」 彼は片手に半死半生の酔漢を抱えあげた。そしてすっかり
救命者になって、酔漢を助けながら、のそのそと堀から上ってきた。二人とも泥まみれの....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
、曇り。 午前十時、非常時の予行としてボウト・ドリルと消火演習がある。船客一同
救命帯を着用してA甲板上のそれぞれの短艇位置へ整列する。汽笛や銅鑼が暗い海面を掃....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
守護しているのです。 海峡横断のさい万一のために――ちょうど汽船とおなじに――
救命帯がそなえつけてあります。」 とそれから図解で
救命帯の着用方を詳説し、なお....
「原爆詩集」より 著者:峠三吉
埋めた大豆を噛り、 鉄道草を粥に炊き、 水攻めの噂におびえる大人に混って 竹筒の
救命具を家族の数だけ争ったり 空襲の夜に手をつないで逃げ出し 橋をかためる自警団....
「無人島に生きる十六人」より 著者:須川邦彦
合わせた。 これで、伝馬船では、上陸できないことがわかった。 そこで、まるい
救命|浮環に、細い長い索をつけて流してみると、岩の方へ流れる潮と波とに送られて、....
「裏切り」より 著者:坂口安吾
されていないのです。気分的に楽でした。当人は万人に軽蔑されても意に介しない荒海の
救命イカダのような安らかな心境にいることですし、ツキアイが楽だというのは坐り心地....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
、夜中の脱出は凍死の危険があり、すこぶる無謀であるのは自明の理であるし、現にその
救命具も引揚げ後調べると、数が員数どおり揃っていたのです。 ですから私たちは、....
「だいこん」より 著者:久生十蘭
りたててものすごく荒れくるっている。給仕《ギャルソン》がキャンヴァスの袋に入った
救命具を頭の上の網棚へ載っけてあるく。すごいことになった。フォークストンの海岸ま....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
う磨きがかかっている。まア、これを見ろ」 ひょろ松が、受けとって読んで見ると、
救命のご恩義は終生《しゅうせい》わすれないが、そのためにあなたに屈するようなこと....
「性に関するアイヌの習俗」より 著者:河野広道
りながら、我は公命によりて郷里の妻子を捨て肝胆をくだし此処に来るものは、畢竟我等
救命の故あり。然るに汝等我に陰門を見せ、すこしく淫心の気を生ぜしめしはこれ汝が罪....