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敗け
「敗け〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
敗けの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「親子」より 著者:有島武郎
いあって、先方がとうとう腹を立ててしまったのだ。掛引きで腹を立てたら立てたほうが
敗け勝負だよ。貸し越しもあったので実はよけい心配もしたのだが、そんなものを全部差....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
。彼れはまた雪のかきのけてある広い往来を見て驚いた。しかし彼れの誇りはそんな事に
敗けてはいまいとした。動《やや》ともするとおびえて胸の中ですくみそうになる心を励....
「星座」より 著者:有島武郎
思うとどうしても今までどおりにしているほかはない……といって、私はきっといつかは
敗けてしまうに決っている……たとえ、見棄てられても、一度だけでも……おせいは切羽....
「弓町より」より 著者:石川啄木
みた。そうしてついに書けなかった。その時、ちょうど夫婦|喧嘩《げんか》をして妻に
敗けた夫が、理由もなく子供を叱《しか》ったり虐《いじ》めたりするような一種の快感....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
二十七 それ熟々、史を按ずるに、城なり、陣所、戦場なり、軍は婦の出る方が大概|
敗ける。この日、道学先生に対する語学者は勝利でなく、礼之進の靴は名誉の負傷で、揚....
「戦争中止を望む」より 著者:伊丹万作
想が尽きている。 政府は二言目には国民の戦意をうんぬんするが、いままでのごとく
敗けつづけ、しかもさらに将来に何の希望をも繋ぎ得ない戦局を見せつけられ、加うるに....
「人間山中貞雄」より 著者:伊丹万作
識るにおよんでその人間とその作品とを比較検討するに、どうも作品のほうが大分人間に
敗けているように思われてならない。したがつてその人間に対する比例からいつても彼の....
「転機」より 著者:伊藤野枝
いいのだ。他の何事を省みる必要があろう? とも思った。あんな二人にどう間違っても
敗ける気づかいがあるものかと思った。またあんな事は山岡にまかしておきさえすればい....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
いのか」 川上は叱りつけるように、 「日本人は勝って情を知る。貴下はもう完全に
敗けたのだ。ピストルには手が届かない。貴下は無力だ」 「なぜ斬らないのか、余には....
「人造人間戦車の機密」より 著者:海野十三
いうのじゃろう。昔の因縁を考えると、わしとて、譲らんでもないが、しかしあのように
敗けてばかりいるのでは張合いがない。――で、当時、醤の奴は、どこにいるのか。重慶....
「地底戦車の怪人」より 著者:海野十三
鼻をつきさしたように思ったのである。 ついに、ピート一等兵は、幻の林檎の誘惑に
敗けてしまった。彼はぶるぶるふるえながら、手をのばした。そして、思いきって、林檎....
「怪異暗闇祭」より 著者:江見水蔭
る。貴様には見えまいが、俺には見える」 「何、毛虫がいたって構わん」 源八郎、
敗けぬ気を出したわけではない。ほかの木の根を探すよりも、早く休みたいからであった....
「死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
手桶を置いて片手ながら、反対に舳の縄をぐっと引いた。 二人掛りのが忽ち、片手に
敗けて、出掛った船は、逆戻りをした。 「あっ、和尚さん、お頼みだ。病人見舞に一足....
「情鬼」より 著者:大倉燁子
と思う? それほどの意気地なしだとみくびっていらっしゃるの? 私はあなたなんかに
敗けているもんですか。世間に発表します。一身を投げ出して、捨て身になって、社会に....
「春」より 著者:岡本かの子
たりから、何故かお民の同行をうるさがった。だが、お民の母性的注意深さも、それには
敗けて居ず、今日も京子の後からついて来た。京子はそれに反撥する弾条仕掛けのような....