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敗亡
「敗亡〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
敗亡の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「オリンポスの果実」より 著者:田中英光
こっち》に洋杖《ステッキ》の音もコツコツとやって来られたのです。ぼくは、びっくり
敗亡、飛ぶようにして自分の船室に逃げ帰りましたが、内田さんの小首を傾《かし》げた....
「長篠合戦」より 著者:菊池寛
のであるから気の毒である。勝頼が天目山で死んだのは天正十年だが、武田はこの一戦で
敗亡の形を現したのである。桶狭間では必死奇兵を弄して義元を倒した信長は、ここでは....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
大阪の立志社連に有せり。十年の乱は実に政界を一変せり。かの一派の民権論者は西郷の
敗亡とともにほとんどその跡を絶ち、あるいは官途に入り、あるいは実業に従い、またあ....
「四日間」より 著者:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ
が意地悪くむんむッと煽付ける。 精も根も尽果てて、おれは到頭泣出した。 全く
敗亡て、ホウとなって、殆ど人心地なく臥て居た。ふッと……いや心の迷の空耳かしら?....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
かと訊く。その弱味に付け込んで、さあ長城を築くぞと囃し立てると、かれらはびっくり
敗亡して、たちまちに姿を隠すのであると伝えられている。 秦代の法令がいかに厳酷....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
垂の下に手首を突込むのと軌を一にする、と云って斥けた。良策の用いられざるや、古今
敗亡のそれこそ、軌を一にする処である。 が、途中まず無事に三橋まで引上げた。池....
「「紋章」の「私」」より 著者:豊島与志雄
方が負けである。これは単に、実行に対するノスタルジーでは済まされまい。 久内の
敗亡を、作者は是認するや否や。もし是認するとしたら、今後の作に於て或は「紋章」の....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
彼は考究する勇気がなかった。彼は打ち負かされ恥ずかしめられたのを感じたが、自分の
敗亡を正視するのを避けた。彼は疲れておりまた卑怯《ひきょう》であった。昔彼が軽蔑....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
護者をも敵に回すようになるだろうということを、明らかに見て取っていた。彼は必ずや
敗亡に終わるに違いなかった。何故に彼が自分自身にたいして奮激し、好んで身を破滅さ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
としてる人々、ゴール民族たることを光栄としてる人々、そして最も狂愚なのは、父祖の
敗亡を誇りとしてる「ローマ人」ら。あるいはまた、ブルトン人、ローレン人、フェリブ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
うじょ》すべき憤怒である。この不思議なる革命はほとんど突撃の手を振るわなかった。
敗亡したる王位に、敵対して血を流すだけの名誉をさえ与えなかった。自由が身自らそこ....
「浅間噴火口」より 著者:豊島与志雄
って此度は、「パルプ」から脱退したらよかろうとあてつけてやった。それが却って彼の
敗亡者たる立場を浮出さした。そういうところへ、彼が心血をそそいで書いていた小説は....
「津田青楓君の画と南画の芸術的価値」より 著者:寺田寅彦
る。そして真率|朴訥という事から出て来る無限の大勢力の前に虚飾や権謀が意気地なく
敗亡する事を痛快に感じないではいられない。 以上の比較は無論ただ津田君の画のあ....
「地上」より 著者:島田清次郎
勝利者ではない。僅かに路上で血みどろになって戦っている者です。しかもどうかすると
敗亡しそうな弱虫でさあ。ね、僕達を真似ちゃだめですよ。僕達を踏み越えて、僕達がわ....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
いの。ちょいと早く呑まさないと、私を噛ろうも知れないよ。」 「お嬢さん、」と例の
敗亡。 「唯今、ですがお嬢さんは、ほんとうに何を買っていらっしゃいました。大概そ....